ようやく読了しました。
短編七編なのですがいずれも非常に地味な作品のような。主題や語り口は確かに宮部みゆきなのですがなんとなく新鮮な感じがするのはそれぞれ初出が古いからでしょうか。(初出93-95年)
個人的には「人質カノン」「8月の雪」「生者の特権」が良い。

ところで人質カノンの七編のうち3篇はイジメの絡んだ話です。初出当時はいじめの問題が大きな社会問題として報じられたものでした。で、最近の教育現場と言えば、学級崩壊がキーワード。先日読んだ『バベル崩壊』では中学校の生徒とどうしてもコミュニケーションがとれない教師が出てきました。でも最近マスコミでこの学級崩壊と言う言葉も聞かなくなって来ました。

えー、何が言いたいのかと言うと例の中学生手錠遺棄事件。さかんに犯人が中学校教師だった事が強調されますが。はっきり言って中学校教師と言うのは教職の中でも一番大変なポジションだと思います。なにせ今日の中学生はやる事なす事めちゃくちゃです。そして教師の方は昔の聖職者と言うイメージがマスコミの度重なる不祥事報道、体罰報道によって地に落ち、なんの権威もなくなって来ている始末。
いや、別に犯人を弁護しようってんじゃありませんよ?
でも12歳の自分の娘がテレクラの常連だったと言う事実を無視して口汚く学校関係者を罵るお父さんと、それをさも当然とばかりに報道するマスコミはどうなんでしょう?
そんな社会が教師を聖職者から背徳者へと貶めているんじゃないんですか?
そーゆー切り口の報道がこれっぽっちも無いと言うのは本当に不思議な事ですね。

台風15号通過中。明日も蒸し暑くなりそう。
とほほ。

コメント

鴉

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