えー、上記を読了致しました。
陳瞬臣の『桃源郷』ですが。
時代背景は非常に興味深いのです。
帯にもありますがまずこれまで西遼(カラ・キタイ)なんぞを扱った小説と言うのはありませんでした。あるとしたらそれはモンゴルとチンギス・ハンを語る上でその途上で滅ぼされる国としての西遼です。これは耶律大石の建国のお話。でも主人公は耶律大石ではなく、メインテーマも東西アジア国家の攻防の裏にある宗教問題。そしてマニ教と言うマイナーな宗教です。
主人公は亡国寸前の遼を出て宋の泉州からマラッカ海峡を経てカリカット(インド)、セルジュークトルコのイスファハン、アッバース朝のバグダート、暗殺教団として知られたニザール派の本山アムラート(イラン)、ファーティマ朝のカイロ、ムラービト朝のコルドバ、東に帰して大理、南宋の臨安と世界中を旅します。
この時代をうつす歴史物語としては良いのですが小説として読むにはちょっと退屈。歴史好き以外にはお勧め出来ないと言う感じですが、私的には堪能しました。

『イリヤの空UFOの夏その2』その1を10/12に読了しているわけで1ヶ月立たないうちに続刊が出たわけです。ま、それだけストックがあったとゆーコトで。
相変わらずよくあるシチュエーションの学園モノなんですが。ただ、絶賛する程ではないものの、すんなり読めて退屈しない。しっかり最後まで読ませてくれるわけで。これだけ陳腐に見えるシチュエーションを盛り込んでここまで読ませてくれるのはやはりその料理の仕方の美味さ、ひいては文章力と言うものなのでしょう。それを思うとさすが秋山瑞人、と言うカンジではあります。なにげに続刊を待ってしまう。不思議な魅力の本と言えるでしょうか。

ところで。
プラネタリウムの入場者数が減る一方とか。
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渋谷の五島プラネタリウムが閉鎖したニュースも記憶に新しいですが…個人的には結構見に行きたいんですけどね、プラネタリウム。
今度誰か誘って見ようか、とか思ったりして。

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鴉

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