ISBN:4086301679 文庫 海原 零 集英社 ¥590

Amazonのデータから引っ張ってきて画像を表示するらしい。
なるほど。

銀盤カレイドスコープは『まいじゃー推進委員会』http://maijar.org/と言うライトノベル系サイトが注目して取り上げるまでは全く無名だったタイトル。このサイトから評判が燎原の火の如く広まり良作として認知されました。
ネットでの評判は本来の売り上げには反映しないと言う話が先日ネット上でも話題になりましたが、今回は作者さんが後書きで、名指しではないもののこのサイトでの取り扱いに謝辞を述べたりしています。

一巻、二巻でオリンピック四位入賞を果たし世界のトップフィギュアスケーターに踊り出た主人公桜野タズサは自らプリンセスを称する実力と倣岸不遜な態度の持ち主。
オリンピック以前の日本の報道陣との対立もあり、狭い日本にゃ住み飽いたとばかりにアメリカに拠点を移し、さらなる飛躍を遂げようとする毎日。しかし、ひょんなきっかけでシングルの彼女が一年だけペアダンスに挑戦する事に。勿論シングルからペアへの転向がそう簡単に行く筈もなく、いつもの売られた喧嘩は買う性格が災いしてアメリカのマスコミからも叩かれるはめに。四面楚歌の中、ペア相手とも決裂?追い込まれたタズサに挽回のチャンスはあるのか!そして芽生えた新しい恋の結末は!

とまあこんな感じのストーリー。一巻、二巻と比べると少し寄り道の外伝的な流れですが、パワーは失われておらず。前巻のファンでも安心して読める続編になっています。

ライトノベルには珍しいスポーツと言うジャンル、しかもこれまた珍しいフィギュアスケートをメインに据えたと言う独自性もさる事ながらこの作者さんは話の見せ方が上手い。
最初読んでいると反感さえ覚える極端な主人公の性格も、自らの脆さ・弱さの裏返しで、そこをなんとか克服しようともがく主人公の姿を見せられるにつれ当初覚えた反感も忘れて、次第に主人公と共感していき、傍若無人なその行動も心地よく感じてきます。
ストーリーだては完全なスポコンものですが、それだけではない様々な仕掛け、見せ方。ここが力量なのでしょうね。

コメント

鴉

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