ISBN:4101181586 文庫 塩野 七生 新潮社 2004/08/30 ¥420

一年前にIII巻までを七分冊して文庫化されたローマ人の物語ですが、ようやく第二期としてIV巻からが文庫化されました。今年度はVI巻までが文庫化される事になります。ゴールは12巻ですのでまだまだ長い旅になりそうです。
筆者はこのIV巻と次のV巻の半ばをユリウス・カエサルの事蹟で覆います。しかし、カエサルがそれだけのページを費やすに足る人物であった事もまた確かです。
それぞれ個々の業績では彼に比肩する者も在ったかもしれません。しかし政治、軍事、文筆、その全てに渡って抜きん出た業績を残し、「ローマが生んだ唯一の創造的天才」と称えられた彼はまさしくヨーロッパの歴史上に燦然と輝く英雄だったと言って過言では無いでしょう。
IV巻はそのカエサルが名も知られぬ時代から、一躍三頭政治の支柱となり、ガリアへの8年間に渡る遠征を成功裏に収めるまでの物語が書かれます。
実は学生時代に彼の著したガリア戦記を途中でほっぽりだした経験があるのですが、もう一度じっくり読んでみたくなりました。
このローマ人の物語に限らず、現代に於いて西洋史を解りやすく、そして読みやすく書く名人と思える塩野七生さん。
これからも長く執筆活動を続けて戴きたいものです。

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鴉

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