ISBN:4829162740 文庫 田代 裕彦 富士見書房 2004/10 ¥588
残暑厳しい帝都。探偵作家・平井骸惚宅を訪れた妙齢の美女。「太一ちゃん、忘れちゃったの?私のことお嫁さんにしてくれるって、約束したじゃない」それが、この度の事件の幕開けでした―。大正十二年。骸惚先生の弟子である河上くんのもとにやってきた、郷里の幼なじみである翠子。子供の頃した結婚の約束を果たしてもらいにきた、と骸惚先生宅に居座る翠子。慌てふためきつつも幼なじみとの久々の再会に喜ぶ河上くんでしたが、突然現れた翠子に不審なものを感じた涼嬢は、河上くんに忠告。二人は対立してしまうのです。そんな中、貿易商・新井家の養女が何者かにさらわれ、屋敷を窺っていた翠子が犯人として捕らわれの身に―。涼嬢の協力も見込めない、骸惚先生も頼れない、たった一人で幼なじみの濡れ衣をはらすために立ち上がる河上くんでありましたが―。本格推理譚第三弾!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200407000286
『GOSICK』に続いてこちらも富士見ミステリで応援しているミステリシリーズ第三段。
舞台の大正時代の雰囲気を上手く取り込んで、ミステリラブコメ風味と言う如何にも富士見ミステリに相応しい方向性を持っていると思われる良作シリーズ。朴念仁の主人公と、かなり素直でないヒロインと言う黄金パターンは前述のGOSICKとも共通する所ですが、好きなので良し。
謎自体は大したカラクリでもなく途中で透けて見えるのも、それをキャラクターでカバーしているのもこれまたGOSICKと同じ。
今回は平井家の次女の潑子ちゃんが奮闘。健気な一面を見せてくれてこれがまた可愛らしいですね!って感想まで似ている・・・。
何か時代設定は違えども『GOSICK』と似た雰囲気があるんですよね・・・。
まあそれはともかく毎度早とちりの朴念仁で頼りにならないけど使命感だけはある河上君が右往左往し、最後は重鎮骸惚先生が締めると言う『京極堂』パターンもはまっていて安心して楽しめる平井骸惚第三巻。ラストのちょっとしたエピソードも良いアクセントとなって、満足、の出来でした。

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鴉

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