ISBN:4797495588 文庫 日日日 新風舎 2005/02 ¥590
天才高校生作家デビュー!!
「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のごくごく近所に住んでいる」――幽霊好きの幼馴染・ちーちゃんに振り回されながらも、「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。続くと思っていた――あの瞬間までは。
怪異事件を境に、ちーちゃんの生活は一八〇度転換し、押さえ込んでいた僕の生活の中の不穏まで堰を切って溢れ始める……。
疑いもしなかった「変わるはずがない日常」が音を立てて崩れ落ちていくさま、それをただ見続けるしかない恐怖を描いた、新感覚のジュブナイル・ホラー。世紀末の退廃と新世紀の浮遊感を内包した、新時代作家・日日日(あきら)、堂々デビュー
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最近流行りなんでしょうか。桜庭一樹の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を初めとして昨年は鬱系、イタい系の作品が話題を得ました。
この『ちーちゃん』もそんな話。壊れて行く少女とそれを見続ける少年の話です。人によってはジュブナイルホラーと言う事で乙一を思い浮かべる方も居るかと思います。そんな感じです。
特筆すべき点はその読みやすさ。読もうと思えば一時間かからずに、一気に読み下せます。まあその間にストーリーはどんどん進んで行きますのでつっかえる所がありません。
ただ、なんというかあっさり纏まり過ぎていてイタい小話と言う印象しかありません。こう言う話と言うのはハッピーエンドは望めませんのでその代わりに如何に読後に余韻を残すかと言うのが良作か否かの線だと思うのですがこの話は最後にぶつっと途切れてしまいます。その先に続く余韻をぶったぎっているワケで、なんとなく世にも奇妙な物語とかああいうネタ系短編ホラーの雰囲気がまんまんなわけです。ドラマでは良いかも知れませんが、一冊の小説としてはどうなのか。端的に言えばあっそう、で終わってしまうのですな。薄っぺらいと言うか。
まあ作者はまだ高校生との事ですので今後の成長は十分に期待出来ると思いますがこの作品に関してはまだまだだなぁと言う印象でした。

コメント

鴉

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