ブルースカイ ◎

2005年10月18日 読書
ISBN:4150308209 文庫 桜庭 一樹 早川書房 2005/10/07 ¥714
“あたしは死んだ。この空の下で――”。魔女狩りの嵐が吹き荒れる17世紀のドイツ、城壁都市レンス。電脳空間にゴシックワールドを再現する2022年のシンガポール、セントーサ島。そして2007年の日本、鹿児島に広がる青い空――。“せかい”と“少女”をめぐる三つの時代、三つの箱庭の物語。
著者HPより。http://sakuraba.if.tv/books/index.php
少女と言うテーマで書かれた三つの時代を巡るおとぎ話。
そう、おとぎ話と言って良い。話を膨らませるならばマリーの話で三倍書ける筈。そこを果断にも断ち切ってストーリーを2022年に飛ばし、一気に終息させる。勿体無いような尻切れトンボのような、中途半端な印象も受けるが、それが桜庭一樹と、この小説の味なのかもしれない。けしてハッピーエンドであるわけでもない。それでもなお、この不思議な感覚を心地良く思うのはライトノベル・SFと言うジャンルで生々しい女性の視点と言う物に出会う事が少ないが為の『物珍しさ』なのかもしれない。
しかし、読んで見る価値はあると思う。つかみ所の無い小説。

コメント

鴉

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