ブレイブ・ストーリー
2006年7月2日 読書
ISBN:4043611137 文庫 宮部 みゆき 角川書店 2006/05/23 ¥740
そしてエンディング。シンプルなラストが爽やかな読後感を運んでくれる。
さすがは大御所宮部みゆきと言った所で感服しきり。その宮部御大が太鼓判を押した映画版は上手くすればジブリの独占であった大作アニメ映画に新風を吹き込んでくれるのではなかろうか。
しかし製作が「あの」GONZOであると言うのが非常に心配ではある。是非とも黒歴史にならないような作品になってほしいものだ。
小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」と意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!8日からの映画化に向けて漸く原作を読む機会にめぐり合えた。全体は非常に古典的なジュヴナイルファンタジー。しかし作中の1/4を費やして丁寧に描かれる亘の旅立ちの経緯は非常に宮部みゆきらしい。比してファンタジー部分はオーソドックスではあるが、信頼出来る仲間との出会い、種族差別を眼にしての、それぞれの正義の認識と疑問。そして対立軸であるミツルへの劣等感と克服。強く、自分として生きる道を選ぶ亘の成長は、素直な感動を呼ぶ。
そしてエンディング。シンプルなラストが爽やかな読後感を運んでくれる。
さすがは大御所宮部みゆきと言った所で感服しきり。その宮部御大が太鼓判を押した映画版は上手くすればジブリの独占であった大作アニメ映画に新風を吹き込んでくれるのではなかろうか。
しかし製作が「あの」GONZOであると言うのが非常に心配ではある。是非とも黒歴史にならないような作品になってほしいものだ。