ISBN:4101181586 文庫 塩野 七生 新潮社 2004/08/30 ¥420

一年前にIII巻までを七分冊して文庫化されたローマ人の物語ですが、ようやく第二期としてIV巻からが文庫化されました。今年度はVI巻までが文庫化される事になります。ゴールは12巻ですのでまだまだ長い旅になりそうです。
筆者はこのIV巻と次のV巻の半ばをユリウス・カエサルの事蹟で覆います。しかし、カエサルがそれだけのページを費やすに足る人物であった事もまた確かです。
それぞれ個々の業績では彼に比肩する者も在ったかもしれません。しかし政治、軍事、文筆、その全てに渡って抜きん出た業績を残し、「ローマが生んだ唯一の創造的天才」と称えられた彼はまさしくヨーロッパの歴史上に燦然と輝く英雄だったと言って過言では無いでしょう。
IV巻はそのカエサルが名も知られぬ時代から、一躍三頭政治の支柱となり、ガリアへの8年間に渡る遠征を成功裏に収めるまでの物語が書かれます。
実は学生時代に彼の著したガリア戦記を途中でほっぽりだした経験があるのですが、もう一度じっくり読んでみたくなりました。
このローマ人の物語に限らず、現代に於いて西洋史を解りやすく、そして読みやすく書く名人と思える塩野七生さん。
これからも長く執筆活動を続けて戴きたいものです。
今月は何ですか・・・。
ディシプリン、半月、バッカーノ、ゆらゆら、ドクロで五冊。禁書目録を1巻から買いたいと考えているので八冊。うわ。
先週から今週にかけての飲み。
地元Barで平日。

リップヴァンウィンクル15y→バルヴェニー15yシングルバレル→
ロビンフッド ポーセリン ホーン デキャンタ(ハーフ)→ノルド・ナ・アハテン(ハーフ)

気楽に飲みに行ったのだが、角笛型のデキャンタに入ったモルトを見せられて口開けに飲んでみた。
中身は謎。口開けと言う事もあるのだろが、味香りともになんと言う事は無いモルト。べったりと甘く、香りは少しピーティ。塩くささもある。ブルイックラディの10年強あたりではないかと想像。苦手。

横浜。久しぶりに行った某Bar。

ジンバック→ヘネシーナジェーナ→インペリアル22y→オールドパーカスクストレングス

終売のナジェーナだがここではスタンダードメニューに載っており、在庫がかなりありそう。アイリッシュの優しさの中に、一本芯の通ったまろやかな甘さと心地良い適度な余韻。これが終売なのは本当に残念だ。初めて飲んだインペリアルはどうと言う事も無いスペイサイドらしい濡れた味わいのモルト。どうもこのべったりスペイサイド系は苦手。オールドパーのカスクストレングスは複雑で面白みのある味。ハーフだったのでストレートで飲んだが、これはさすがに水割りで飲んだ方が美味しいかもしれない。味がしっかりしているのでいわゆるトゥワイスアップとかハーフロックで楽しめそうだ。

翻って地元Bar

グレンモーレンジ18y(セラミックデキャンタ)→ハイランドパーク18y(旧ボトル)→オールドプルトニー18yシェリーウッドカスク

シェリー樽熟成メインの18年年モノ、ハイランドモルト(ハイランドパークは自分的にハイランド的扱い)での三杯。
後に行くに従って男性的でごつくなっていく感じが面白かった。
しかし、ハイランドパークのバランスの良さには改めて脱帽。OBでしみじみと美味い酒です。ほんと。
ISBN:484022787X 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2004/09 ¥599
刃物使い達の死闘(バッカーノ!)が、雨を呼ぶ──
 鋏使いのチックは無邪気に人を斬る。見えない“絆”がどれだけ傷みに耐えられるかを確かめる為に。
 刀使いのマリアは陽気に人を斬る。この世に斬れないものなど無い事を信じる為に。
 槍使いのアデルは慇懃無礼に人を斬る。ただ存分に暴れたいが為に。
 ナイフ使いのシャーネは無言で人を斬る。自分の仲間を傷つける者を排除する為に。
 刃物使い達の死闘は雨を呼ぶ。それは、嵐への予兆──。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/new/next.php#8
さて、いよいよバッカーノ本編の続編登場。例によって上巻ですのでいつもの騒ぎもまだまだ始まったばかりですが。
久しぶりにアイザック&ミリアがたっぷり登場。そして今までのヒロインも大集結の豪華版。今回の主人公はチックとマリア・・・の筈なんですが当たり前のように、様々な登場人物が入り乱れては一箇所に集まり派手に暴れだします。
このクセのあるメンバーの中で、ヒーローヒロインは無事結ばれるのか(いや結ばれなくても良いんですが)。
テンションを高くして次巻待ちと言う一作です。って続編は何時ですか!?
成田ファンでない方、またシリーズを読んでない方はお奨めできません。多分読んでも何が何だかさっぱりわからないと思います。
是非シリーズ全冊読んでください。お願いします。
取合えずWindowsUpdateをかけようとすると必ずSP2入れろと言われるのには萎え。
というかMSのOSをリリース直後に入れるなんてチャレンジャーな真似をするのはテスト環境を持っているマニアだけで十分です。
まあ取合えず放置決定。

ちなみにUpdateでSP2を自動ダウンロードを禁止にするレジストリ書き換えツールが公式に出てますな。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NT/NEWS/20040903/1/
その他SP2関係はヒマな時にこちらへ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/Windows/

SMWS

2004年9月11日 趣味
横浜駅某Bar。残業で酷く遅くなり、このままではちと帰りたくない気分。ただ、終電が迫っているのでそう長くは飲めない、と言うシチュエーションで行くとおあつらえ向きにSMWSのボトルが二本入荷していたので迷わずこれを頼む。

SMWSブローラ21Y 61.19→SMWSロングモーン25Y 7.24

SMWS(スコッチモルトウィスキーソサイエティ)今年二月のボトリング2本。
ブローラはマスター曰くブローラと言うよりもクライネリッシュ。
ピーティさはほとんど感じずいかにもハイランドモルトらしい華やかな印象の美酒。
ロングモーンはOB15Yの延長上にあるのを納得できるまさにロングモーンならではのフルーティさというかクセを持つ『美味いスペイサイド』
長引いた残業帰りの身体を癒すモルトでした。
何気に二杯で1時間近くまったりしてしまい終電が危なかったのは内緒。

ROOM NO.1301 #3

2004年9月14日 読書
ISBN:4829162686 文庫 新井 輝 富士見書房 2004/09 ¥651
大好評! ちょっとエッチな学園ラブコメ第三弾!
健一は同級生千夜子とプラトニックな関係を続けながら、セックス依存症の高校生・冴子と同居生活を続けている。そして訪れた夏休み、千夜子+姉の蛍子と海に行くことになる。だが、行く先々で騒動が巻き起こり!? 相変わらず人間関係はこじれ気味だった――。恋って難しいもの? 恋ってしようと思ってするもの? 女の子とつきあうってどういうこと? そんな素朴な疑問を感じている健一くんが、真実の愛を求める物語がまたまた登場です!!
http://www.kadokawa.co.jp/fujimi/mystery/search.php?pcd=200406000011
断然ホタルルート希望。それだけ。
・・・いや、それ以外何を書けと。主人公が八方美人なのもモテモテなのも流されやすいのも完全に18禁恋愛シミュレーションゲームのノベル版。何も考えずに楽しんで読んだ方が勝ちってやつですね。多分。

13階段

2004年9月16日 読書
ISBN:406274838X 文庫 高野 和明 講談社 2004/08 ¥680
宮部みゆき氏絶賛!!!
手強い商売仇を送り出してしまったものです。――(本書解説より)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=274838X

2001年の乱歩賞受賞作品の文庫化。
殺人と死刑。人を殺した者は法の手によって殺されるべきなのか。死刑の執行にはどんな判断があるのか。加害者にとって、被害者にとって、遺族にとって、それはどんな意味を持つのか。
現在の死刑制度を巡る意義や矛盾点、殺した側・殺された側それぞれの立場を鋭く抉っているのもさる事ながら、そんな事を気にせずに勢いづいて読むサスペンスミステリとしても上物。最後まで気を抜かせずに読ませてくれるエンタテイメントです。ちなみに2003年2月に映画化されたらしいですがあんまり評判は良くないみたいですね。帯がいかにも読めって感じでちょっと引きましたがしっかり読めて面白かったです。
ISBN:4758050929 コミック 上田 信舟 スタジオディーエヌエー 2004/08/25 ¥580

久しぶりに表紙買いしました。
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=07135650
ヒロインの白井さんがクリーンヒット。
ショート、小柄、ちと垂れ目入りの憂い顔が絵になるさばさばした性格の優等生。たまりませんな。
ストーリーはバイオハザード、ゾンビバスター、青春恋愛風味。
正直話は大した事無いんですが絵が好き。これは久しぶりに買いの漫画でした。

購買目録

2004年9月17日 日常
講談社ノベルスより
・φは壊れたね 森博嗣
・狩野俊介の記念日 太田忠司

漫画
・スクールランブル5 小林尽

以上を購入。西之園萌絵メインの新シリーズに四年ぶりのシリーズ新刊と久しぶりに講談社ノベルスを買ってしまった。
スクランはなんか久しぶりに学園モノしてますね。と言うか出てくるキャラが覚えられません。この人の描くキャラ好きなんだけど、描き分けが出来てるの?と少々思います・・・。そろそろ一巻から読み直すか。
ISBN:4088766806 コミック 鈴木 央 集英社 2004/09/17 ¥530
21世紀以降のオーバーテクノロジー崩壊後の世界を舞台に出会った技術系ショタ少年とめっぽう強いお姉さんがサバイバルするファンタジー冒険漫画。
作者は週間ジャンプでライジングインパクトを連載していた鈴木央。ライジング〜以降読みきり作品をぽつぽつと描いていましたがようやくウルトラジャンプで連載となりました。
しょっぱなから離別と旅立ちの見事なプロローグがあり、以前より深みを増したようにも思われる描き込みの絵と共にぐっとひきつけてくれています。
全体の雰囲気は『キノの旅』に似ていますが、やはりメインは出会い以降の主人公達の打ち解けていく様子でしょうか。
自分的にこういう冷たい感じのクールビューティーがツボなので非常に楽しんで読みました。これからの続きも楽しみな、久しぶりのヒット漫画と言う感じでした。
横浜近郊のBarへ久しぶりの訪問。
longmorn12y(G&M)→six islay→余市10年原酒→デメラララム(キングスバリー port ellen) →マッカラン18y 1979グランレゼルヴァ(ハーフ)

お客さんが少なくてマスターの酒薀蓄を堪能しつつ、色々奨めてもらう。前者二種は普通に楽しめるウィスキー。six islayは6種の島モノのヴァッテッド。飲んでみると普通のアイラ?結構優しいけれどしっかりアイラしてました。いやジュラとかタリスカも入ってるらしいけど。
余市10年シェリー原酒のしっかりとした酒質に感動しつつ、ラストに最近は見なくなりつつあるグランレゼルヴァ最良と言われる1979ヴィンテージ。滑らかなシルクのような味わいと長い余韻はさすがと言えますが最後に飲むには少しインパクト不足だったかなぁと。自分はどちらかと言うと濃い味好きなんで・・・。
まあしかし、十分に堪能した一夜となりました。

さよなら妖精

2004年9月27日 読書
ISBN:4488017037 単行本 米沢 穂信 東京創元社 2004/02 ¥1,575
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。
著者HP:http://www.rd.mmtr.or.jp/~mize/pandreamium/
読後に余韻を感じさせる小説と言う物は押並べて名作が多い。
米澤穂信と言う作家はこの、余韻を残す物語を紡ぐのが上手い作家です。若き日の漠然とした焦燥、遠き地から来た少女への憧憬、そして厳然と佇む現実。青春の全ての思いがここにあり、主人公の少年への感情移入を深めていきます。
文中にすらりと入る謎解きもいかにも米澤さんらしく、ともすればだれてしまいそうな二ヶ月間の日常の描写に印象的なスパイスを与えてくれます。そして最後の謎を巡る主人公と彼の友人達の心の動き、そして結末。それは現実と同じくけして割り切れるものでも、納得出来るものでもありません。それが残す余韻を味わいながら、静かにこの本を閉じるとき、深い溜息が漏れ出しました。
佳作なのが残念なこの作家。最新作も近いとの事で期待と共に時を待つ事にします。
ミステリ風味ですがミステリ好きに関わらず読んで欲しい作品です。
鴉

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