ISBN:4043611137 文庫 宮部 みゆき 角川書店 2006/05/23 ¥740
小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」と意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!
8日からの映画化に向けて漸く原作を読む機会にめぐり合えた。全体は非常に古典的なジュヴナイルファンタジー。しかし作中の1/4を費やして丁寧に描かれる亘の旅立ちの経緯は非常に宮部みゆきらしい。比してファンタジー部分はオーソドックスではあるが、信頼出来る仲間との出会い、種族差別を眼にしての、それぞれの正義の認識と疑問。そして対立軸であるミツルへの劣等感と克服。強く、自分として生きる道を選ぶ亘の成長は、素直な感動を呼ぶ。
そしてエンディング。シンプルなラストが爽やかな読後感を運んでくれる。
さすがは大御所宮部みゆきと言った所で感服しきり。その宮部御大が太鼓判を押した映画版は上手くすればジブリの独占であった大作アニメ映画に新風を吹き込んでくれるのではなかろうか。
しかし製作が「あの」GONZOであると言うのが非常に心配ではある。是非とも黒歴史にならないような作品になってほしいものだ。
と言う訳で最終回。
キスまでの流れは唐突だったような気がするが、まあ良いさ。
「似合ってるぞ」と「私がさせない・・・」で十分だ。
しかし、終わり方が第二期を感じさせないので少し不安。
やるだろ!?第二期。やらないのは罪作りだなぁ。
何せ京アニの実力をイヤと言う程に見せ付けられたアニメだった。
満足!乙にょろ〜。
ISBN:4592143515 コミック 若杉 公徳 白泉社 2006/05/29 ¥530
インディーズ界デスメタル最凶のカリスマ・クラウザーII世率いるバンド「デトロイト・メタル・シティ」!! でも彼らの素顔は…!? 超話題のデスメタルGAG!!
http://www.s-book.com/plsql/com2_detail?isbn=4592143515
まあ激しくあちらこちらで取り上げられていて5月の発売から既に第三版と言う人気漫画なので今更ではありますが、この手の漫画を読まない自分でも笑えたのが凄い。
自分のやりたい音楽とは真逆の音楽で評価され、自分でもその名声に陰ながら酔ってしまうと言う主人公の判り易いヘタレっぷりとキレっぷりが最高。
で、サポートする音源なんぞも出てきた日には。
http://dmcopy.seesaa.net/

この勢いは中々止められそうにありませんね(笑

ちなみに明日以降の予定は
・宙のまにまに
・ちょこッとSister4
・スイートホームスイート2
・制覇するフィロソフィア
の四本です。

憐 Renシリーズの水口敬文氏の新作もでたにょろよ!

ネタだけです。

2006年7月6日 日常
色々あって遅くなっているのでネタだけ。

偉人ブログより 偉人メッセ
http://erai.jugem.jp/?cid=2
諸葛亮に笑った。

純米吟醸生酒「かもすぞ」13分で490本完売。
http://www.kinosake.jp/kamosuzo_2006.html
素直に飲んでみたい。
エネルギー吸収と発散 Blogより
■[アニメ][SOS] 結局、なんでキスしたら元の世界に戻ったのよ。(涼宮ハルヒの憂鬱:総感その2)
http://d.hatena.ne.jp/kkobayashi/20060705/p1

本文よりコメント欄参照。
キスされたのと同時にそれを夢だと判断したと言う意見が自分的にはしっくりくるかな。
「God Knows....」と「冒険でしょでしょ?」の歌詞解釈なども面白いです。

関連:
小さな刺客の大きな野望Blogより
長門の計算
http://smallassassin.blog67.fc2.com/blog-entry-164.html
また一つ伏線回収。

「孤島症候群(後編)」の予告の「おつかれさま、キョン」が翌週の「サムデイ イン ザ レイン」で寝起きのキョンに動揺するハルヒの直前の台詞だった。とか言うあたりの伏線もかなり凄いなと思いましたが。
そんな訳で7/8から開催されてます。
期限は7/23の0時まで。
半期に一回のお祭りですので振るってご参加の程を。

2chライトノベル大賞 2006上半期
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1152198375/

FLASH

2006年7月11日 アニメ・マンガ
かーずSPさんで「かーずSP的2006年flash総括(04〜06月編)」が公開されました。
http://hw001.gate01.com/karzu/column/flash200602.html

とりあえず見とけ!と思うのはやはり「吉野の姫」でしょうか。
http://maruproduction.com/flash/yoshino.html
思わず画面に見入ってしまう名作。

なにげに大好きな「たいむいずまねー」
http://www.geocities.jp/sushimaru7/flash/flash.html
オチが楽しみで、続きをずっと待ってました。

2ch系なら「逝ってョCDテラワロスwwwプロモーションFlash」
http://www.iosysos.com/cd/itytw_sp.htm
おお、頭狂アンダーグラウンド以来の感動だw

他にも名作がびっしりですので暇つぶしにどうですかね。
07月12日付 CNET Japanの報道「マイクロソフト、「Windows 98」「Windows Me」の延長サポートを終了」へのコメント:

そこでとらぶるうぃんどうずですよ。(古

http://www.geocities.jp/aki_yuki_hp/events.htm

http://www.youtube.com/watch?v=Bl0NFht0QFg
http://www.youtube.com/watch?v=jYlBuAvSzXk
http://www.youtube.com/watch?v=ahWcVyFfkaw
http://www.youtube.com/watch?v=2gBfPiDiuZA

うわ、懐かしい。
でもOSタンとか最近の人は結構知らない罠。
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2006/05/26 ¥5,880
やっぱ京アニは良いねぇと言う話ではないのですが、こう言うほのぼのしたフルメタルパニックのエピソードは大好きです。
TSR自体は重い話なだけに、ほっとしますねー。
まあ作画はさすがに京アニクオリティ全開ですし。
いかにも安心して見られる娯楽アニメです。
ISBN:4044708053 文庫 水口 敬文 角川書店 2006/06/30 ¥600
二人だから、戦える。
「偽りの魔術」を操る姉妹が求めるのは―真実の絆
失われた強大な力―魔法。だが、その力は形を変え「偽りの魔術」として現代にも受け継がれていた。高校生の綾白未玖とその過保護な姉でもある夏咲も“力”を使うことができる「魔女」の姉妹。しかし魔女を守るはずの組織「連盟」が二人を襲い始めたとき、未玖から魔術起動の象徴・八重桜が大量に舞い始める!そこには未玖の持つ「偽りの魔術」を根底から覆す秘密があった!強く優しき魔女たちによる運命のマズルカが今、始まる!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200603000361
「燐」シリーズの水口敬文の最新シリーズは学園コミカルマジックファンタジー?
なにやら明るくコミカルな出だしに「燐」シリーズを知る自分としては違和感があったのだけれど、途中から連盟や陰の存在である堂本兄弟など、持ち味のダークな感じが仄見える。
主人公姉妹と堂本兄弟が上手く対比されていて、姉妹の絆を核にしたストーリーはテンポも良く上々の出来。
ただ一点何か突き抜けた所がないのが少し気になるのだけれど上手く纏まった良作と言う所だろう。
シリーズの出だしとしては十分。続刊も期待出来るだろう。
ISBN:4063144178 コミック 柏原 麻実 講談社 2006/06/23 ¥560
天空に輝く美しい星。仲間と見ればもっときれい!清く明るい天文部グラフィティ!!
この町には昔、悪魔がいた……。かつて暮らした町に引っ越し高校生になった朔(さく)。そこへ恐怖のハイテンション幼なじみ・美星(みほし)が再び現れた! 読書好きの朔の穏やかで知的な時間が一瞬で打ち破られる!気が付いたら、朔は創部間もない天文部の一員になっていたのだった――!!
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=3144178
なんつーか普通に楽しい学園文系部ラブコメ?主人公がヒロインに振り回されっぱなしなトコロは某ハルヒを思い出させたりもしますが、まー昔から良くあるパターンとして。
単純に何が好きかって絵柄が好きなんだろうと思う(笑
どっかで見たような気がしたのだが、あー、カレカノに似てない?
ちなみに好みのキャラはヒロイン以外です(笑

主人公×生徒会長ルートとか希望。
かーずSP経由。
- 楽韓Web -より「韓国製液晶テレビ滅亡へ」
http://vortex.milkcafe.to/koreanlcd.html

韓国の技術は日本に追いついた。もう日本に学ぶ事はない。とまで言った方がいらっしゃったらしいですが。へー。
なんくる☆ないさぁさんより。
http://mashimaro.itigo.jp/2006/07/2006anison.html

ハルヒ強しの感のある結果ですが、それより何より全部YouTubeで見られるってのが凄いですよね・・・。

ところで「桜蘭高校ホスト部」のOP、EDが入ってないのは仕様ですか?結構好きなんですが。

※追記

ところでアニメな話題が出たので今期開始のアニメの話。
一応後追いでチェックしているのは
・となグラ!
・コヨーテ ラグタイムショー
・無敵看板娘
・ハチミツとクローバー?
・ちょこッとSister
の五本。ゼロの使い魔は巷の評判はそこそこなようですが一応切ってます。前期からで言うと桜蘭高校ホスト部とARIAだけか。
ゼーガペインとシムーンもなんだかんだで評判持ち直してきたらしいですが。
何かお奨めあればお教えください。
ISBN:4063144186 コミック かとり まさる 講談社 2006/07/21 ¥570

将棋よりもミステリの方が結構気になる、しおんの王。
女流三人がどんどん勝って行ってしまうのはいささか興ざめではあるが、しおんの両親の殺害の真相を巡る謎はいよいよ目が離せない。
ISBN:4063725316 コミック 吉田 基已 講談社 2006/07/21 ¥540

恋風はイマイチ終わり方が納得がいかなかったのだが、1巻も復刻されて同時発売されたこの作品は、吉田基已の良さが未だ詰まっている。やはりこの人はキャラクターの表情。
照れ顔が恥ずかしいけど、でも良いのだ。
2chライトノベル板大賞 2006年上半期は7/23 0:00を持って投票が締め切られ、即日集計の結果、支倉凍砂 狼と香辛料?,?が大賞始まって以来のワンツーフィニッシュを決め、圧倒的な強さを見せ付けた。併設されたイチオシ賞、キャラ賞、カップル賞も総嘗めにしており、電撃文庫の大型新人が快挙を成し遂げた事になる。
[投票内容、結果分析等は今後]

http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1152198375/

ライトノベル大賞リスト
http://onigiri.s3.xrea.com:8080/laten/index.php?%5B%5B%A5%E9%A5%A4%A5%C8%A5%CE%A5%D9%A5%EB%C2%E7%BE%DE%A5%EA%A5%B9%A5%C8%5D%5D

みんなのうた。

2006年7月24日 音楽
http://guideline.livedoor.biz/archives/50487220.html
こちらの記事からスレ番156
156 :ν速民 :2006/05/07(日) 09:09:36.03 ID:9OgvwdoE0

まっくらもりのうた
http://www.youtube.com/watch?v=xS-oN5OAZT4
月のワルツ
http://www.youtube.com/watch?v=3IfjTvcm0nI
メトロポリタンミュージアム
http://www.youtube.com/watch?v=aP0_mPzO8sM
ラジャ・マハラジャー
http://www.youtube.com/watch?v=0j0Qv1kVCqU
赤鬼と青鬼のタンゴ
http://www.youtube.com/watch?v=MDLo8ASWpHo
メッセージソング
http://www.youtube.com/watch?v=p9ZgX9gYDis&;search=pizzicato message
グラスホッパー物語
http://www.youtube.com/watch?v=x6vIqSuu5bc
ありがとうさようなら
http://www.youtube.com/watch?v=PZJr6oISPOs
恋するニワトリ
http://www.youtube.com/watch?v=N3cMeAqz3ao&;search=Taniyama hiroko
この選択は素晴らしい。特にメッセージソングは懐かしいピチカートファイブの名曲。ラジャ・マハラジャーとか恋するニワトリとかも好きだったなぁ。
ありがとうさようならも昔子供の頃はやけに感動した記憶がある。

そんな懐かしのみんなのうた。特集記事。
おすましエプロンさんより【■[ネット]Youtubeで見られる「みんなのうた」まとめ】
http://d.hatena.ne.jp/furamubon/20060509/1147149312

見切れないっつーの(笑
まずは上位20位の結果をコピーする。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1152198375/618-620
◆大賞
01位 38票
狼と香辛料 I 』 【著:支倉凍砂/絵:文倉十/レ:電撃文庫】
02位 29票
『狼と香辛料』 【著:支倉凍砂/絵:文倉十/レ:電撃文庫】
03位 27票
『とらドラ!』 【著:竹宮ゆゆこ/絵:ヤス/レ:電撃文庫】
『"文学少女"と死にたがりの道化』 【著:野村美月/絵:竹山美穂/レ:ファミ通文庫】
05位 25票
『夏期限定トロピカルパフェ事件』 【著:米澤穂信/絵:片山若子/レ:創元推理文庫】
06位 21票
『銀盤カレイドスコープvol.7 リリカル・プログラム:Be in love with your miracle』 【著:海原零/絵:鈴平ひろ/レ:スーパーダッシュ文庫】
07位 19票
『BLACK BLOOD BROTHERS 5 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 風雲急告―』 【著:あざの耕平/絵:草河遊也/レ:富士見ファンタジア文庫】
08位 18票
『半分の月がのぼる空6 life goes on』 【著:橋本紡/絵:山本ケイジ/レ:電撃文庫】
09位 16票
『荒野の恋 第二部 bump of love』 【著:桜庭一樹/絵:ミギー/レ:ファミ通文庫】
『侵略する少女と嘘の庭』 【著:清水マリコ/絵:toi8/レ:MF文庫J】
11位 15票
『月の盾』 【著:岩田洋季/絵:室井麻希/レ:電撃文庫】
12位 13票
『封仙娘娘追宝録・奮闘編 (5) 最後の宝貝』 【著:ろくごまるに/絵:ひさいちよしき/レ:富士見ファンタジア文庫】
13位 12票
『レジンキャストミルク4』 【著:藤原祐/絵:椋本夏夜/レ:電撃文庫】
『灼眼のシャナ XII』 【著:高橋弥七郎/絵:いとうのいぢ/レ:電撃文庫】
15位 11票
『とらドラ2!』 【著:竹宮ゆゆこ/絵:ヤス/レ:電撃文庫】
『円環少女 (3) 煉獄の虚神 (下)』 【著:長谷敏司/絵:深遊/レ:角川スニーカー文庫】
『図書館戦争』 【著:有川浩/絵:徒花スクモ/レ:メディアワークス】
18位 10票
『カレとカノジョと召喚魔法 (6)』 【著:上月司/絵:BUNBUN/レ:電撃文庫】
『シフト II ―世界はクリアを待っている―』 【著:うえお久光/絵:----/レ:メディアワークス】
20位 9票
『9S『ナインエス』VII』 【著:葉山透/絵:山本ヤマト/レ:電撃文庫】
『ゼロの使い魔 (7) 銀の降臨祭』 【著:ヤマグチノボル/絵:兎塚エイジ/レ:MF文庫J】
『ゼロの使い魔 (8) 望郷の小夜曲』 【著:ヤマグチノボル/絵:兎塚エイジ/レ:MF文庫J】

◆イチオシ賞
第1位:21票
『狼と香辛料 II』 【著:支倉凍砂/絵:文倉十/レ:電撃文庫】
第2位:9票
『"文学少女"と死にたがりの道化』 【著:野村美月/絵:竹岡美穂/レ:ファミ通文庫】
第3位:7票
『狼と香辛料』【著:支倉凍砂/絵:文倉十/レ:電撃文庫】
『図書館戦争』 【著:有川浩/絵:徒花スクモ/レ:メディアワークス】
第5位:6票
『シフト II ―世界はクリアを待っている―』 【著:うえお久光/絵:----/レ:メディアワークス】

◆作者別集計
01位 支倉凍砂      67(2) 狼と香辛料/狼と香辛料II
02位 竹宮ゆゆこ     38(2) とらドラ!/とらドラ2!
03位 野村美月      27(1) "文学少女"と死にたがりの道化
04位 米澤穂信      26(2) 夏期限定トロピカルパフェ事件/さよなら妖精
05位 橋本紡        23(3) 半分の月がのぼる空6/7/流れ星が消えないうちに
06位 桜庭一樹      22(3) 荒野の恋 第二部/GOSICKs II/少女七竈
07位 海原零        21(1) 銀盤カレイドスコープvol.7
08位 あざの耕平     20(2) BBB5/BBB(S)2
09位 清水マリコ     19(1) 侵略する少女と嘘の庭
10位 ヤマグチノボル  19(3) ゼロの使い魔(7)/(8)/魔法薬売りのマレア
11位 高橋弥七郎     18(2) 灼眼のシャナ XII/S
12位 岩田洋季     15(1) 月の盾
13位 藤原祐       14(2) レジンキャストミルク2/4
14位 ろくごまるに   13(1) 封仙娘娘追宝録・奮闘編 (5)
14位 長谷敏司      13(2) 円環少女 (2)/(3)
14位 葉山透        13(2) 9SVII/9SSS
17位 有川浩        11(1) 図書館戦争
17位 田口仙年堂     11(3) ガーゴイル9/10/BB団2
18位 櫂末高彰      10(2) 学校の階段/2
18位 上月司       10(1) カレとカノジョと召喚魔法
18位 うえお久光     10(1) シフトII

これらを見ながら結果を分析して行きたい。

投票前の下馬評からしても狼と香辛料の人気は高かった。が、基本的にシリーズへの投票は分散するラ板大賞でワンツーと言うのはまさしく類を見ず、圧倒的と言えるだろう。また作者別集計から見ても判るとおり、とらドラ!の竹宮ゆゆこも善戦していて、この2シリーズは今期の鉄板と言える。
さて、他を見てみるとBBBシリーズの3巻、4巻、5巻で三期連続ベスト10を維持するあざの耕平もまた快挙と言える。尻上がりに調子を上げる作者の面目躍如と言う所か。
また、『文学少女』『夏期限定』『荒野の恋』『図書館戦争』と今までのライトノベルの本流からは少し外れた印象の作品が上位を占めているのも特徴か。『図書館戦争』は総投票数11/イチオシ投票7とイチオシ率が高く、ハードカバーで無ければ読者層と共に得票数も広げられただろう。
『銀盤』『半月』は長期シリーズモノが軒並み得票を落とす中、健闘。事実上の最終巻であった『半月』はともかく、『銀盤』はさすがの人気と言えるだろう。

個人的には学校の階段シリーズや戦う司書シリーズ、薔薇のマリアシリーズ等の得票がイマイチだったのが残念だ。

レーベル面ではどうだろう。やはりトップレーベル電撃強しである。最近元気の良い中堅三強、スーパーダッシュ・ファミ通・MF文庫Jがベスト10に一冊づつ。老舗富士見・角川が沈むと言うこの傾向には何かあるのだろうか。
このあたり面白いのは2chラ板大賞とほぼ時期を同じくして行われたはてなDiaryのライトノベル関連サイトによる『ライトノベルサイト杯』の結果との比較である。
丁度良く、Windbird::Recreationさんの所で比較を纏めてくれているので是非参考に見てみて戴きたい。
http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20060723/1153594719

某スレの感想にも書いてあったが、両者の違いは投票者のフォローする作品の幅の広さにあるのかも知れない。
ライトノベルサイト杯では各サイトの管理人は、それなりに一家言ある人達であり、読んでいる作品数も半端ではなく、マイナー作品やベテランの作品、そしてラ板大賞では中小賞にフォローされる、全体的にはどうかと思うがどこか光っている作品がフォローされている。7票以下の作品等は非常にコアだ(笑、取り合えず三浦良は読ませて貰おうと思っている。
さて、翻ってラ板大賞では、投票者にそこまでのフォロワーが多いとは思えず、どうしてもメジャーレーベルである電撃文庫の作品が多くなる。
こんな所だろうか。

最後に今回の自分の投票を晒して終わりたいと思う。
○『狼と香辛料 II』  【著:支倉凍砂/絵:文倉十/レ:電撃文庫】
とにかくこのシリーズには一本取られた。と言うか面白くて唸った。
老獪さと純真さと尻尾を併せ持つ反則的なホロの魅力に行商人ロレンスが巻き込まれる経済的謀略劇が合わさって
最後までじっくりと読める、期待通りの二作目。
そこは期待通りの言葉をかけて欲しいホロ。あくまでお人よしなロレンス。こんな二人の道中がいつまでも続きますように。

『侵略する少女と嘘の庭』  【著:清水マリコ/絵:toi8/レ:MF文庫J】
大人になっていく過程と共に微妙に揺れ動く幼馴染達との距離。そしてボーイ・ミーツ・ガール。僕は彼女と出会った。
相変わらず嘘シリーズにハズレ無し。
綺麗な流れを感じさせるストーリーラインと終わりの余韻。完成された青春ボーイ・ミーツ・ガールストーリー。
それにしてもとらドラと言い、やっぱりツンドラ系は餌付けに弱い。

『夏期限定トロピカルパフェ事件』  【著:米澤穂信/絵:片山若子/レ:創元推理文庫】
『犬はどこだ』からこっち米澤穂信はかなりダークでビターだ。タイトルと装丁の甘さからは計り知れない作中を通した一本の糸、そして驚愕のラスト。
青春小説としてもミステリとしても群を抜いている。
次巻は『秋期限定モンブラン事件』と名前だけは決まっているようだが、小佐内さんと小鳩君の二人の関係の転機となるのは確実。
もはやミステリ作家として大成した感があるが、いつまでも応援してます。

『とらドラ2!』  【著:竹宮ゆゆこ/絵:ヤス/レ:電撃文庫】
なにげに馴れ合いを続ける事になった竜児と大河の前に新キャラの登場なワケですが、この新キャラも中々良い性格。陰湿イジメ展開にでもなるのかと思いましたが、そうは大河がおろさない。
相変わらずのマイペースキャラ達が所狭しと躍動する様はまさに圧巻。特に今回はみのりんが輝いている!みのりん・大河のダブルアタックには爆笑。みのりん、イイヨ、みのりん。
巻末の「幸福の手乗りタイガー伝説」もちょっと良い話で楽しめます。留まる所を知らない竹宮パワー健在。

『学校の階段2』  【著:櫂末高彰/絵:甘福あまね/レ:ファミ通文庫】
とかく何せレースが熱い。階段を駆け上り、飛び降り、廊下を疾走する。そんなタヴーを敢えて犯して走り続ける階段部。
その姿に何故か郷愁と奇妙な共感を覚えてしまった。もうそうなるとぐぐっと話に引き込まれるワケである。
2ではクセモノの生徒会長も出てきて、よりドラマは複雑に。展開は王道だがぐいぐい読ませてくれる。
読後も爽快でびっと自分の波長に合った「楽しい」ライトノベル。

次点は
『スイートホームスイート1 世界で一番いらない遺産』  【著:佐々原史緒/絵:カヅキレン/レ:ファミ通文庫】
佐々原史緒は相変わらず鉄板。解り易くさりとて安直にならないバランスの取れた作品が持ち味を出している。

『戦う司書と黒蟻の迷宮』  【著:山形石雄/絵:前嶋重機/レ:スーパーダッシュ文庫】
本当にこのシリーズは面白い。なにが面白いってバトルが、カラクリが、そしてメインキャラクターが。
読み終わって冷静に考えてみると何と言うことは無い仕掛けの作品のように思えるのだが読んでるうちは止まらない。イイ。イカしてる。

『走って帰ろう!』  【著:加藤聡/絵:緋呂河とも/レ:ファミ通文庫】
学校の階段と似た感じのする、エンターテイメントとして一気に読ませてくれる期待の新人の良作。

『荒野の恋 第二部 bump of love』  【著:桜庭一樹/絵:ミギー/レ:ファミ通文庫】
少女小説と言うか純文学と言うか。あまりにもライトノベルとは言えない作品に思えるので大賞からは外した。
接触恐怖症の少女が少しずつ異性を感じ始め、体得していく、一歩一歩。瑞々しい筆致と描写が折りなす桜庭ワールド。

以上。最後まで読んだ人はお疲れ様でした。ありがとうございます(笑

時をかける少女

2006年7月28日 映画
なにせ時をかける少女の評判が良い。
http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

ゲド戦記、ブレイブストーリーと言う今夏の大作がどちらも『その手の向き』には評判が宜しくない(特に片一方は酷評も良い所な)中、手放しの賛辞を浴びているのがこの映画だ。

ただネックは上映館の少なさ。東京でテアトル新宿だけって一体何処のインディーズ映画?と言いたいのだが・・・なんと地元のシネプレックス平塚が神奈川で唯一の上映館になっている。

こりゃー見に行けって事だよなぁ・・・。
まあ今週末は色々あるので来週にも見に行こうと思ってます。

って、ちょ、8/4(金)までw
日曜日見に行くしかないか!

いやパイレーツオブカリビアンも見に行きたいんですがネ。

オフ会の話。

2006年7月29日 日常
Mixiに書いたのですが、オフ会の話だけこちらにも。

久々のオフ会で上野に。
隅田の花火大会の人出で賑わう中、久方ぶりのメンバーと再開。相変わらず久しぶりに会う気がしない方々だ(笑
そのまま幹事のねげろん君の企画で東京国立博物館で
【プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展】
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&;processId=02&event_id=3119
を鑑賞。
若冲の人気の故か、人が多かったですね。

若冲の作品ではライフワークであった鶏を描いた
紫陽花双鶏図
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060511172337
旭日雄鶏図
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060515100355
等も良かったのですが圧巻は升目にびっしりと描かれたモザイク画のような
鳥獣花木図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060511101214
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060511101158
江戸時代にこう言う絵を描く人が居たのか、と驚きます。
描かれている鳥獣達も何処と無くユーモラスで非常に楽しい屏風絵でした。

ですが、展示の中で若冲より気を引いたのは酒井抱一の作品でした。
十二か月花鳥図
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060630113022
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060630113023
佐野渡図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060630113021
四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060609191141
どれも繊細で優美な作品でした。大変気に入りましたね!

また様々な光の当て方で表情を変化させる絢爛たる屏風絵達も素晴らしいものでしたね。
簗図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060622103035
源氏物語図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060620100842
紅白梅図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060622103036

そしてラストの締めにこの二作品。見てきた絢爛さからモノトーンの静けさの対比。
雪中松に兎・梅に鴉図
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060627095340
懸崖飛泉図屏風
http://f.hatena.ne.jp/jakuchu/20060630113053

いや、中々、見に行って良かったと思わせてくれる展示でした。
その他の展示作品も公式ブログから見られます。
http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/
「出展作品情報」で所有者であるプライス氏のコメントを見ながら、展示を反芻するのも楽しい作業でした。

この後、街に出て、カラオケから焼肉屋さんへと流れていったのですが、カラオケは散々でした(笑 ここ1年近くカラオケなんてしていなかったので、ぼろぼろです。声が出ないんですね。でも声は出すのはやはり気持ちが良い!
焼肉。若い組は相変わらず良く食べる(笑
歩きながら皆の近況等も聞けて、良いオフ会でありました。

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鴉

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