ISBN:4404032579 単行本 宮部 みゆき 新人物往来社 2005/06/21 ¥1,890
文頭の衝撃的な毒殺事件から始まって、加賀殿の存在と、それを中心に渦巻いていく城下町での禍事、そして風聞。町は次第に重苦しい空気に溢れ、終には一気にそれが爆発する事になります。
正しい事を言い、行うことが全ての解決にならぬと言う重苦しいジレンマが積み重なり容赦ない現実が人々を追い詰めていく中で、只一つ、純粋無垢なほうと人間としての加賀との心の触れ合いだけが救いとして描かれます。そしてラスト。物語はどこまでも救いは無く、ただ現実のみが圧倒的にその場を支配し終わります。
「阿呆の呆」であったほうが新たな名を得る。結局そういう話であったのよ、とただため息をつくしかない、そんな話です。
小野不由美さんとかが書いてたらホラーになったんだろうなぁと言う作品内の重苦しさは万人受けする宮部作品とは一線を画しますが読み応えはあると思います。
讃岐国、丸海藩――。この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。以来、加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発。そして、加賀殿幽閉屋敷に下女として住み込むことになった少女ほう。無垢な少女と、悪霊と恐れられた男の魂の触れ合いを描く渾身の長編大作。(Amazon.co.jp)寄るべき家を失った異邦の少女、ほう。一方平和な藩に振って沸いた幕府からの預かりの重罪人、加賀殿。そしてほうに不思議な縁で関わることになる引手手伝い(江戸の岡引の手下)の少女、宇佐。
文頭の衝撃的な毒殺事件から始まって、加賀殿の存在と、それを中心に渦巻いていく城下町での禍事、そして風聞。町は次第に重苦しい空気に溢れ、終には一気にそれが爆発する事になります。
正しい事を言い、行うことが全ての解決にならぬと言う重苦しいジレンマが積み重なり容赦ない現実が人々を追い詰めていく中で、只一つ、純粋無垢なほうと人間としての加賀との心の触れ合いだけが救いとして描かれます。そしてラスト。物語はどこまでも救いは無く、ただ現実のみが圧倒的にその場を支配し終わります。
「阿呆の呆」であったほうが新たな名を得る。結局そういう話であったのよ、とただため息をつくしかない、そんな話です。
小野不由美さんとかが書いてたらホラーになったんだろうなぁと言う作品内の重苦しさは万人受けする宮部作品とは一線を画しますが読み応えはあると思います。
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