”文学少女”と飢え渇く幽霊 ◎
2006年9月5日 読書
ISBN:4757729154 文庫 著:野村美月 イラスト:竹岡美穂 エンターブレイン/ファミ通文庫 2006/08/30 ¥630
そして第二弾。出来としては上々と言えるでしょう。今回のモチーフはネタばれになるので控えますが英文学の古典。
道化〜以上にモチーフとなる小説に寄りかかり気味なのは気になる所ですが解決編、そして麻貴先輩の立ち位置とラストが素晴らしい。事件の結末はかならずしも幸せなものではありませんでしたが、それをも包み込むような優しいラストシーンはこの作品の一つの持ち味となりつつあるのでしょう。
一巻目には及ばないと見る向きもありますが、自分的には十分に劣らない作品だったと思います。
すべての物語を愛する“文学少女”が解き明かすのは、甘く苦い“真実の物語”。2006年上半期に於いて人気を博した「文学少女と死にたがりの道化」は太宰の人間失格をモチーフに多感な高校時代を過去の痛みを引きずって過ごす少年少女達の悲しくも温かい事件を描く上質のミステリでした。物語を食べると言う文学少女、天野遠子の特異性が決してメインにはならず、全体を包む心地よいスパイスとして用いられているのも好感でした。なにより遠子先輩は可愛い(笑
文芸部部長・天野遠子。物語を“食べちゃうくらい”愛しているこの自称“文学少女”に、後輩の井上心葉は振り回されっぱなしの毎日を送っている。
そんなある日、文芸部の「恋の相談ポスト」に「憎い」「幽霊が」という文字や、謎の数字を書き連ねた紙片が投げ込まれる。文芸部への挑戦だわ! と、心葉を巻き込み調査をはじめる遠子だが、見つけた犯人は「わたし、もう死んでるの」と笑う少女で――!?コメディ風味のビター&スイートな学園ミステリー、第2弾!
そして第二弾。出来としては上々と言えるでしょう。今回のモチーフはネタばれになるので控えますが英文学の古典。
道化〜以上にモチーフとなる小説に寄りかかり気味なのは気になる所ですが解決編、そして麻貴先輩の立ち位置とラストが素晴らしい。事件の結末はかならずしも幸せなものではありませんでしたが、それをも包み込むような優しいラストシーンはこの作品の一つの持ち味となりつつあるのでしょう。
一巻目には及ばないと見る向きもありますが、自分的には十分に劣らない作品だったと思います。
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