ISBN:4757722095 文庫 森 薫 エンターブレイン 2005/03/22 ¥693
19世紀末のロンドン。豪商ジョーンズ家の長男ウィリアムはある日、初老の家庭教師ケリー夫人宅を訪ねる。そこで彼が出会ったのは美しいメイド、エマだった。一目で恋におちたウィリアムは以後、彼女の住む地区へ足繁く通い、またエマも実直なウィリアムの人柄に惹かれていく。だが、上流階級に名を連ねる彼に、メイドとの恋が許されるはずはなかった……。
 珠玉のロマンスコミック『エマ』――その登場人物達の心情や背景を緻密に描く小説版が登場!http://www.enterbrain.co.jp/fb/newbook/060/05/index.html

小説版エマの作者は久美沙織。コバルト文庫の『丘の上のミッキー』は古典的少女小説の名作だがさまざまなゲームのノベライズでも有名でドラゴンクエスト3〜6、MOTHER2等を物している。多作でありながら、文体の読みやすさとわかりやすく丁寧な心情・情景描写でそのレベルは高い位置で安定している。(特にドラクエ5の評価は高い)
そんな久美沙織さんの書くエマは原作に忠実でありながら絵では表現できない細部の描写を見事にフォローアップしており、漫画を読まれた人でも十分に楽しめるものとなっている。
一部説明が鼻につく部分もあると言えばあるが私はあまり気にせずに読めた。原作を知らない人が読んでも楽しいだろう、凝ったヴィクトリア朝恋愛小説に仕上がっている。
4月からのアニメはどういう風になるのかまだまだわからないが小説版はメディアミックスの幸せな例となったと言えるだろう。
鴉

お気に入り日記の更新

日記内を検索