ISBN:4840227004 文庫 高橋 弥七郎 メディアワークス 2004/06 ¥620
デキる奴らが事件に挑む、SFアクションストーリー!
異空間に巣食う化け物退治を生業とする「ディビジョン駆除商会」のアンディーとボギー。突如現れ、音もなく消え去った『ファントム』と呼ばれる化け物を追ううちに、赤いパラソルを持つ少女の存在が浮かび上がってきて……。
奇才・高橋弥七郎が放つSFアクションストーリー、ついに登場!
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?isbn=4-8402-2700-4

今や『灼眼のシャナ』シリーズの方が有名な高橋弥七郎ですが、デビューはA/Bエクストリームと言うSFアクション小説でした。
二冊まで出たA/Bは一部で好評を持って迎えられたものの、その後シャナの人気に押されて続編はずっとお蔵入りの状態でした。
そして2年のブランクと共にようやくシリーズ最新刊の登場となったのが、このアプラクサスの夢です。
前作から設定等を引継いでいるものの、単独でも読める構成となっています。久しぶりのA/Bの内容はと言うと・・・少しパワーダウンしたかなぁと言う印象。今回はイマイチ『ディビジョン商会』の各キャラが立ちきれて居なかったと言うかストーリー先行がちでキャラ描写が置いてかれてしまったかなと。これでシリーズが数ヶ月おきに出ているならばすんなり読めるのでしょうが、なにせ二年ぶり。もう少し各キャラに感情移入できるようなエピソードが欲しかった・・・と思うのは贅沢でしょうか。とは言っても構成自体は十分にしっかりしていますし、各キャラともに見せ場もあるので、まあそのあたりは期待を裏切らない出来とは言えるでしょうか。
やはり一度シリーズを読み直してみる必要があるなと決心した待望の一作でした。

復活の地 1

2004年6月15日 読書
ISBN:415030761X 文庫 小川 一水 早川書房 2004/06/10 ¥756
 王紀440年、惑星統一を果たしたレンカ帝国は今まさに星間列強諸国に対峙しようとしていた。だが帝都トレンカを襲った大災厄は、一瞬にして国家中枢機能を破壊、市民数十万の生命を奪った。
 植民地から帝都に戻ったばかりの若き官僚セイオも被災し、敬愛する上司を亡くす。遺志に従って緊急対策に奔走するが、帝都庁との軋轢、陸軍部隊の不気味な動向に翻弄され、強力な復興組織の必要性を痛感する。
 いっぽうレンカ皇室の内親王スミルは、北方の僻地に追いやられた姫だったが、この災害により急遽帝都へ呼び戻され、セイオに力を貸すことになる。
 崩壊した国家の再生を描く壮大なる群像劇、全3巻開幕!
作者HP http://homepage1.nifty.com/issui/
作者本人曰く国家災害SFと名づけられたこの作品。前回の第六大陸と言い今回と言い、最近の小川一水作品はプロジェクトXみたいな感じの作品が多いですね。
一巻は死者五十万に昇る帝都の被害の様子と、この混乱の中で権力掌握に動く登場人物達の説明に費やされています。
軍官民それぞれの内部での対立や主導権争い。それに翻弄される救助活動。災害の混乱の中で先鋭化する民族問題。それぞれが真摯かつ不可分な問題であり、これをどうやって解決していくのか、その手腕が問われます。
モデルは読んでいればなんとなくわかりますが、関東大震災時の日本のようです。星間列強の諸国も当時の西欧列強の雰囲気が見えます。
三巻構成ですので早まった事は言えませんが一巻を見る分には十分期待出来そうです。最後までこのテンションで突っ走って貰いたいものですね。
週末に地元のBarでウィスキーイベントが開かれて参加して来た。有志持込でSMWS(スコッチモルトウィスキーソサイエティ)の六本のテイスティングをメインに様々なウィスキーが集まる。
これを深夜に集まってくいくい飲む訳だが、最終的に15本からのレアなモルトをハーフショットくらいとは言え飲み続けて語る訳だから、まあ酔うのも当然なわけで。
結局翌日は二日酔いで夕方まで死んでいましたとさ。
でもまたやりたいですね。楽しかった。
ISBN:4062734931 文庫 福井 晴敏 講談社 2002/07 ¥730
圧倒的スケールで描く三賞受賞の傑作
在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。
日本推理作家協会賞を含む三賞を受賞した長編海洋冒険小説の傑作。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062734931/250-8554762-4862664
亡国のイージス映画化の報に触発されて文庫版を読み直してみた。
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-040608-0011.html
元々は私がハードカバーで買った稀な作品だ。
粗筋以外は殆ど覚えておらず、じっくり読んでみて、読み終えて涙がにじんだ。
99年にこの小説で指摘された日本の国のあり方はそれから5年たった今でも全く変わっていない。その中で、作中での事件の呼水となった一人の若者の凄烈な論文『亡国の楯』もその真摯さを失わない。そしてこの事件を持って語られる日本の国の形も今、我々が考えなければならない事かもしれない。その意味で映画ではかなりそう言った部分は骨抜きになってしまうのだろうが、原作を手に取って貰える機会が増えるのは喜ばしい事だ。
だが、そうした大上段の国とは人とはと言う話はさておき、この作品は一度自分の意味を失った人達が再びそれを見つけ出す、復活の物語でもある。いや、むしろそれがメインなのかも知れない。
エンディングを読み終えたとき、深い溜息と共に冒頭の光景を思い出し、じーんと痺れる。
そんな経験が出来る極上の海洋冒険小説。未読の方は是非読んでいただきたい。
06月10日付 日刊スポーツの報道「韓国製ギョーザ輸入停止」へのコメント:
まあ別に取り立ててあげるべきトピックでもないのだが、韓国の東亜新聞日本語ページのこの一文が笑える。
警察は「有名餃子メーカーの場合、納品業者と示し合わせて不良品を提供してもらったわけではないため、食品衛生法による処罰はできない」とした。
▲「餃子メーカーにも責任あり」〓このように処罰が困難な状況で、これらのメーカーがごみで作った具の入った製品の回収に消極的で、言い訳ばかり並べていることに対し、怒りの声が高まっている。
1999年11月から最近まで、W食品から330t(およそ1億7000万相当)の納品を受けたA社は「今回摘発された不良具材は米国や日本への輸出用として製造されたため、国内には流通していない」と釈明した。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2004060858588
米国や日本に輸出したから安心してくれとの事です。
良かった良かった。
ISBN:4062648806 文庫 恩田 陸 講談社 2001/07 ¥700

暫く日記を休んでいたのはいつものさぼり癖なのだが、あまり書くようなインパクトのある本や漫画が出ていなかったのも確かか。

久しぶりにミステリが読みたくなって通りがかりの本屋を覗いた。
で、出会ったのがこの本。
実はかなり昔一回読んでいる。何せ1997年発行の本なのである。
恩田陸、と言う作家は間違いなく当代でも有数のミステリ作家である。いかにも幻想的な、女性の明るい面と暗い面を合わせたような文章を書く作家さんで作品の面白さは折り紙付きだ。
ただ、幻想的な、と書いただけに読みにくい部分や捉えどころの無い部分、あるいは複雑な構成を持っている部分があり、さらっと読み下しは出来ない。連続して読むと疲れる作家さんでもある。
そんなわけでひさしぶりに読んでみる気力が沸いたと言う事だ。
この作品はその後、三月シリーズとして作品内の様々なエピソードが独立して書かれている。言わば恩田作品の原点にかなり近い作品だ。
作内では幻の本と呼ばれる『三月は深き紅の淵を』を今自分が読んでいると言う入れ子的構成で中身は四章に分かれている。作内の三月と今読んでいる三月が微妙にリンクしながら一章づつ完結で話は進んでいく。それぞれの章とも読み応えがあり、不思議な感覚に捉われる。
恩田作品の入門書として一度手にとって戴きたい本だ。

ブローラ

2004年6月4日 日常
サイドカー→SMWS 61.15(ブローラ)

久しぶりに、そう、かなり久しぶりにブローラを飲んだ。
姉妹モルトとも言えるクライネリシュはある程度飲んでいるのだが。しかもSMWSの春のニューボトル。カスク。
飲んでみると・・・まんまアイラなのである。
海の香り、塩気を感じるものの雑味の無いクリアな美味さはポートエレンを思わせる。
ただ、暫くエイジングさせていると海の香りの中から香り立つ華やかで仄かな甘い香りが楽しめる。
そんな事をしている間に何故か客が殺到しあっと言う間に満席近くなったのでそそくさと撤退。
しかし、二杯でも十分満足な夜であった。
ISBN:4757718713 文庫 田口 仙年堂 エンターブレイン 2004/05 ¥672
いつ行ってもお客がいない怪しいアンティーク屋「兎轄舎」のお姉さんに呼び出された双葉は、うま〜く丸めこまれてトゲつきの奇妙なヘルメットを被ることに。それは試作段階の植物と喋れる機械「イーハトーブ式交換装置」だった!? 故障で装置が脱げなくなってしまった双葉はおかげでご町内の笑いものに。心配するガーくんの気持ちをよそに、好奇心旺盛な双葉は装置を使い、新しい友達と出会うのだが、どうも様子が変!?
 ますます好調、ご町内ハートフル&ハッピーコメディ第3弾!
町内コメディと言うと最近ではケロロ軍曹なんかがそのタイプでは無いか。まあある一家庭とそのご近所に世界を限定したホームコメディの一呼称なのである。
で、この吉永さん家のガーゴイルは未読のままに、3巻まで出てしまった。噂で面白いと言うのは聞いていたので久しぶりに大人買いして読み始める。
吉永家の兄妹が商店街の福引で当てたのはある骨董屋が供出した錬金術を使って作られた番犬型万能彫像。意思を持ち、吉永家を守るべく義務付けられたこの彫像に、呆れつつもつけた名前がガーゴイル。以後、錬金術絡みの様々なトラブルが吉永家を襲うもこのガーゴイルの為に全て撃退。何かとばっちりな感じがしないでもないが、晴れて家族の一員として認められたガーゴイルは吉永家の安寧を守るべく今日も門前に鎮座している。
と言う感じ。融通の利かないガーゴイルが、家族の暖か味を知り、より人間くさくなっていく様子が面白い。そして絡んでくる錬金術師達は変人ばかり。吉永家は勿論の事、町内の頼れる存在となりつつあるガーゴイルは今後とも成長しながら家族との絆を強めていくのだろう。
気楽によめるライトノベルらしい娯楽作品。
週末。地元のBar。

オールドセントニック15年バレル→ノアーズミル15年→ウルフ レジェンド30年(ハーフ)→カールトン14年

一杯目としてチョイスしたのは先日ジョシュアの影に隠れて美味さをイマイチ確認出来なかったオールドセントニック。
今回ショットで飲むと、これも十分に骨太で重厚な味。微かに思えた香りもしっかりと立ち、美味いバーボンではないか。やはりヘンな甘味が無いのが良い。バーボンの中では辛口の部類に入るらしいがさもありなんである。
ノアーズミルはセントニックに比べると幾分ソフトで甘口。コクはあるが野趣味は抑え目で飲み易い。香りも華やかで飲みなれていない人には良いかも。
さて、ウルフレジェンドはモリソン・ボウモアがボウモアとオーヘントッシャンをメインモルトに作ったブレンデットウィスキー。30年表記と言う事は30年以上のモルトが使われていると言う事。確かに味わい、香りとも60年代のボウモアが持つ南国のフルーツのような特徴がある。しかし、思ったのはこれを飲むならボウモアを飲んだほうが良いんじゃないか?と言う事。どうせ贅沢をするのなら60年代モノのボウモアを飲んだほうが絶対美味いような気がする。そんなわけで美味いのだが少々可哀想な印象のスコッチ。
同じブレンデットならカールトン14年の方がそれらしい。
経歴が良く解らない謎のスコッチはブルーの陶器のようなボトル。味、香りともバランスが良く、特に余韻の長さが素晴らしい。深く楽しめるスコッチで、私は断然こちらを支持。
四杯のウィスキーそれぞれに楽しめて気分の良い一晩でした。
ISBN:475771887X コミック 森 薫 エンターブレイン 2004/05/26 ¥651

絵が上手いのだろうか?
まるで映像を見ているかのように、その都度の情景が流れるようにすっと頭に溶け込んでいくような不思議な感覚に囚われる。それがこのエマの魅力の一つでもあります。
そして待望の四巻は盛りだくさんの内容。一話一話が飽きさせない、密度の濃い一冊になっています。
最初のコリンの絵のエピソード。スケッチブックを胸に待ち続け、頭を撫でられて嬉しそうに微笑むコリン。母親は別居。父親も忙しくて気軽には近寄れない存在の中、唯一甘えられる存在なのであろうウィリアム。そのウィリアムも最近は何故か忙しい。その葛藤の中、しかしやはり優しい兄の手の温もりに安堵を覚えるその健気さに感動。そして妹や弟達の絵を見続けて来た兄・ウィリアムの存在にやはり感動。一話からぐっと感情移入を高めてくれる素晴らしい出来。
そしてエレノアの告白、シスコンモニカ姉様の登場と婚約までの急展開。モニカ姉様の登場から婚約までの流れはいささか唐突に思えましたが、モニカ姉様のキャラは中々好き。エレノアの友人達には随分怖がられていましたが、どんなエピソードがあったのか気になる所です。
ドロテア夫婦も不思議なキャラ。旦那さんの方は無表情なので良く解りませんがやっぱりベタ惚れなんでしょうね・・・(笑)
裸に関しては・・・肉がたまりませんな!(を
そして再会。ウィリアムに気づいた時のエマの表情。そして寝室での逢瀬での涙。ドラマですよねぇ・・・。

再会してしまった二人。そして婚約を素直に喜ぶエレノア。
不幸一直線ぽい流れですが、なんとかハッピーエンドに持ち込む事は出来るのか。と言うかなんとかして欲しい。
この話はハッピーエンドで終わって欲しい。エマの幸せそうな笑顔が見たい。それを祈りつつ続刊を待ちます。
獲得品。

・小池田マヤ『バーバーハーバー5』
・真右衛門『G組のG4』
・空知英秋『銀魂1』
・森薫『エマ4』

いや、エマがもう素晴らし過ぎて。感想は改めて。
ISBN:4829162570 文庫 師走 トオル 富士見書房 2004/05 ¥588
失われた58年前以前の記憶を求めて――
元〈解放軍〉戦士アヴィンとその仲間たちが、〈異形の敵〉と戦いを繰り広げる。不思議な能力を持つ少女クーナのために、賞金稼ぎとなったアヴィン。そんな彼のもとに、ある奇妙な依頼が! それこそは、〈深遠なる忘却〉と呼ばれる現象以降、記録と記憶をなくした人類の謎に迫る、大事件の始まりだった!!
http://www.kadokawa.co.jp/fujimi/mystery/search.php?pcd=200403000159
先日ディバイデットフロントを読んだ後にすぐこの本を読むと設定が微妙にかぶっていて食傷気味になりそうだったが、雰囲気からして違うのでそうでもなく読み進められた。読んだ印象は?と聞かれてもどうも印象が弱い。まあ、そこそこ読めるし、ストーリーも悪くは無いと思うのだが、それで?と言われるとそこで終わってしまいそうな・・・。やはりディバイデットフロントの影響だろうか。インパクトが無さ過ぎるのだな。
何か敵役もお粗末だったし。どうも読む順番を間違えて不幸な扱いをされた一作。という所で勘弁。

休暇中は。

2004年5月23日 日常
毎週顔を見せに来る二歳の甥に妙に懐かれて少々困っているのですが、日曜日久しぶりに参加したRagnarokの攻城戦は中々熱かった。
F1モナコGPは佐藤琢磨が相変わらずの期待外れっぷりで思わず納得しているわけだが、バトンが2位。顎が奇跡的リタイアとまあまあ納得出来る結果。サバイバルレースで中々楽しめた。

家飲みにしていたグレンドロナック15yが漸く空く。ちびりちびりと飲んでいたわけだが、飲み易い佳酒であった。
後継者はミッシェル・クーブレイのシェリーシングルモルト15yとちょっとした掘り出し物、Barで飲ませて貰って味・価格共にバランスの良かったBigTゴールドラベル(特級表示旧ボトル)だ。BigTを口開けしてみたが、さすがに最初はエステル香が強い。だが味はそこそこで余韻が長い。暫くすれば香りも落ち着いて家飲みにはかなり良い線になる事を期待している。
キャンベルタウンロッホ→ジョニ黒(30年前の特級表示)おすそ分け→Michters 10y(ハーフ)→ジョシュア・ブルックス16y→オールドセントニック15y(ハーフ)

Michtersはミフターズと読むのかミヒターズと読むのか。最初はアルコール臭が強いが暫く置くと軟らかな甘い芳香を放つ。味はドライかと思いきや少しすると甘さが目立つ。
ジョシュア・ブルックス16年。これについてはもう素晴らしいとか圧倒的としか言えない。注いだ口から周囲に立つ香り。きりっとしていてコクのある、濃い骨太の味。バーボンはこれだ!って感じ。この酒が飲めて幸せだーって。
最後に薦められたオールドセントニック。香りはそれ程立たないが味はジョシュアに似た骨太。バーボンはやっぱりヘンな甘味が無いほうが好み。モルト派から転向したくなりそうなそんな夜でした。
まあいろいろなところでキャッチアップされているサムライチャンプルーを漸く見ました。
http://www.samuraichamploo.com/Staff/index.html

カウボーイビバップでその名をはせた渡辺信一郎監督ひさびさの作品と言うコトで、テイストが出まくってます。格好イイ。
今回は導入編と言うコトで次回からのストーリー展開も楽しみです。アニメの裏方には疎いんですが裏日本工業新聞さんhttp://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/nikko.htmlのお話。チーフアニメーターの中澤一登さんはキルビルのアニメパートを担当してたそうで。その他のスタッフも精鋭揃いとくれば期待大の捕捉としても十分。頑張って見ようと。
ISBN:4044293023 文庫 高瀬 彼方 角川書店 2004/04/28 ¥680
―それでも、ここで生きようと思った。完全隔離化の戦場「北関東隔離戦区」での、“僕たちの戦争”を描く物語―第2弾登場!
「北関東隔離戦区」―それは、異形の怪物“憑魔”に寄生されたがゆえ、完全隔離下で戦うことを宿命づけられた少年少女たちの戦場。その地獄のなかでも、特に忌まわしき記憶として語られる自衛隊員200名の命を奪った“朝霞事件”が再び起きようとしていた! それを防げるのは、現場へ向かった英次や宮沢の「イコマ小隊」だけ。だがその前に強大な力を持つ赤き憑魔が立ちふさがる!鬼才の放つ切なき戦場の物語、第2弾登場!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200203000747
一般社会から隔離された戦場に、自らの責任ではなく運命のいたずらによって放り込まれ、戻る事も許されず、勝利する事も敗北する事も許されず、ただひたすらに戦い続ける事を義務付けられた少年少女達。ヘビーだ。ヘビーすぎる。そんな極限状態の中で、それでも日々を生き、過ごしていかねばならない彼等の話が丁寧に緊迫感を持って書かれている良作。
まあ全編重い話でも無く。極限下での指揮維持の関係上、小隊は男女3人づつが基本単位らしく、舞台となるイコマ小隊でも当然の如く前半は隊内の恋話がメイン。しかし中盤からは一転、惨劇の中でのサバイバルな展開。宮沢の意外な活躍、外の世界からやってきた広報班の士官との確執、イチルと英次の微妙な関係、様々なストーリーがからまりつつ、最後まで息をつかせぬまま駆け抜けてくれます。あまりにヘビー。でも読める。これだけでも中々の存在だと思います。お奨め。

9S (3)

2004年5月19日 読書
ISBN:4840226911 文庫 葉山 透 メディアワークス 2004/05 ¥599
 由宇の調査で明らかとなった遺産【天国の門】。それには決してあるはずがないもの、真目家の家紋が刻まれていた!!
 時を同じくNCT研究所では大惨事が発生する。所員の木梨が多くの人間を殺害し研究所を脱走したのだ。行く先は【天国の門】。由宇は独断で木梨を追う。
 ミネルヴァと勝司も【天国の門】の奪取に暗躍する。そして運命に導かれる闘真。今すべてが一つの地に集結せんとしていた!
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/new/sinkan.html#5
近現代ハードアクション、ナインエスの三巻はどこにも書いてないけど上下巻の上巻になります!だまされたよ!
いよいよ峰岸の遺産の謎の核心に触れる【天国の門】の争奪戦は四つ巴、五つ巴の様相に。逃げつ追いつで忙しい由宇の漢前に感心しつつ、相変わらず天然ボケの闘真になにやってんだと呆れ、端役からメインキャラへの昇格を遂げた木梨に真目のラスボスたる不坐から謎のロリータ刺客も飛び込んで、ぐちゃぐちゃのどろどろな展開。錯綜しながらノンストップで突っ走るストーリーの明日はどっちだ!
ってだから上下巻なんて聞いてないっての。こんな所で終わられたら困るでしょ・・・。早く下巻出してください。
取合えずブラコンの麻耶ちゃんラヴ。

GOSICK (2)

2004年5月18日 読書
ISBN:4829162546 文庫 桜庭 一樹 富士見書房 2004/05 ¥693
混沌の欠片を集め、ヴィクトリカは語る。真実の言葉で――
第一次世界大戦から下ること十年。西欧の小国にある学園の図書館塔に、未来を見通すかのような知恵の泉を持った少女・ヴィクトリカがいた。九城一弥は彼女と出会い、惹かれ、否応なく冒険に巻き込まれる。そんな二人が活躍するゴシック・ミステリーの第二弾がついに登場! 今回は、新聞広告に掲載された謎のメッセージを追いかけて、二人はある山間の村を訪れます。そこで起きる凄惨な連続殺人。そして、過去に起こった、謎の殺人――その容疑者は……。
http://www.kadokawa.co.jp/fujimi/mystery/search.php?pcd=200403000156
半ば幽閉されたが如く、外に出る事を禁じられて学園の図書館塔で過ごす謎の少女、ヴィクトリカと、ひょんな事で友人となった日本からの留学生、九城一弥の冒険譚第二弾です。卓絶した知識力・推理力を持ちながら、幽閉生活の為かぶっきらぼうで小悪魔的な所のあるヴィクトリカと真面目一辺倒の日本人、一弥とのやり取りの面白さと富士見ミステリにしては珍しいしっかりとした?ミステリ仕立てで中々面白かったGOSICKの続刊が出ました。
今回はヴィクトリカを取り巻く様々な謎の一旦として彼女の母親に纏わる事件がメインとなります。相変わらず主人公二人のやり取りはテンポが良く好感。メインのミステリ部分についてはオチがやや弱いような気がしますが、山間の秘境と灰色狼伝説と言うオカルティックな雰囲気が相まって中々読ませてくれます。
ヴィクトリカや、その母親の謎についてはまだまだ引っ張っているので次がどうしても気になってしまう構成。引きも十分でシリーズとしては成功しているのではないでしょうか。
この本はイラストも雰囲気と合っていて中々お奨め。
富士見ミステリ、リニューアルしてからもそこそこのラインナップで来ていてかつての地雷量産が待たれる所です。(を

蒸し暑い日々。

2004年5月17日 日常
咳止め薬をアネトンに変えたら、そこそこ咳がおさまるようになった。但し期限は四時間。切れるともう駄目と言うスリリングな展開にはまいっちんぐ。(←古すぎ)
咳こんこん中やる気無かった日記を埋め埋め。

RAGNAROKは移住(マイレージ)プランが今日で締め切り。最古鯖であり故郷(マイホーム)であるchaos鯖は17日19:45分現在で21%が移住。最古鯖だけあって他鯖から比べると比率は抑え目なものの、五人に一人の移住はそこそこ大きいと思われます。周りでもギルド毎移住の話が聞かれ、寂寥の感が否めない今日この頃であります。
https://secure.ragnarokonline.jp/migration/index.aspx

あちらに行ってもお元気で・・・。

ヴぁんぷ!

2004年5月16日 読書
ISBN:4840226881 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2004/05 ¥641
成田良悟が描く“この世で最も吸血鬼らしくない吸血鬼”の物語
 【親愛なる日本の紳士淑女諸君! 月並な問い事で申し訳ないが――諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?】【――失敬、名乗るのが遅れたようだ。我が名はゲルハルト・フォン・バルシュタイン! このグローワース島を預かる、子爵の称号を賜りし吸血鬼! 自己紹介代わりに、我が島で起こった一つの騒動について話をしようではないか! ……まあ語らせてくれたまえ。暇なのだ】【君が私の話を信じるも信じぬも、私が人にあらざる存在という事は一目瞭然であろう? 何しろ私は――】
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/
編集部の煽り通り。吸血鬼を題材にしたライトノベルは数ありますが見事に成田風に料理。むしろ成田作品にしては今回はキャラが抑え目かなと言う感もあります。後書きを読むと解るんですが、このヴぁんぷ!の主人公って実は《子爵》だったんですね(笑)。いや、そんな主人公が解らない程に、いつもの如く、何人かのキャラに視線がザッピングしながら最後は大集結の大団円を迎えます。
今回は少しストーリーがばらけすぎかな。あまりにも焦点があってないような気がします。なんか端役の筈のカルギラも妙に最後まで存在をひっぱるし。要は誰も○○なかったって事に拘っているんでしょうけれど。もう少し絞っても面白かったのでは。
後、いま少し悪役のヴォッドのキャラが出せてなかったような気がします。成田作品の悪役の中ではインパクトが無い。まあラストはしっかり締めましたが(笑)。これも小物ゆえなんでしょうか。
キャラとしてはまずは主人公《子爵》に一本。そして《木島閑音》に一本。この人の書くヒネたヒロインは好きだわ。
《子爵》の子供達が地味だったけれど、あくまで《子爵》が主人公ならそれも解りますね(笑)。
評価としては微妙な所。成田作品のファンならモンクなく面白いとは思いますがそれでも今一歩だった感があります。これは次作に期待かな。

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鴉

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