ISBN:4829163410 文庫 ヤマグチノボル 富士見書房 2006/02/10 ¥630
高三の研は6年前、バイク事故で亡くなった優秀な兄・究への劣等感を未だに抱いていた。ある日、高校に兄の元カノ・京子が赴任してくる。恋心を抱く研だったが、京子もまた研に究の姿を重ねていた。恋の行方は――
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200512000094
昨今ギャルゲーのシナリオライターのライトノベル進出が多くなっていますがこの作者も代表的な1人。富士見ミステリでは『描きかけのラブレター』が中々良い作品でしたがそれよりはツンデレロリの巨頭としてアニメ化も決まった『ゼロの使い魔』シリーズの作者でもあります。
で、この遠く〜ですが非常に読みやすく典型的な青春恋愛小説です。2時間位であっさりと読めてしまいました。
6歳年上の教師で死んだ兄の元彼女との出会いと恋。うわ、ベタや。でも嫌味なくすらすらと読めてしまうところは流石。
ただ派手なインパクトも無いので気楽に楽しめるライトノベルと言えるでしょう。ちょっとした息抜きには良いかも。
ISBN:4086302756 文庫 岡崎 裕信 集英社 2005/12 ¥650
ユーキの初恋の相手は美人神格能力者!
性別を偽るユーキは、真綾の作った“男性になる薬”で男らしくなった。それに反応した玉樹がまたも黒魚で学校をパニックに陥らせる。突然現れた美人神格能力者・黒崎が事態を納めるが、ユーキは彼女に心を奪われる。この恋をきっかけに、真綾が暴走! 文字通りの命がけの恋に!
http://dash.shueisha.co.jp/-mayahuel/index.html
色々と設定はあるのですが、詰まるところはラブ&友情バイオレンスコメディ!?
勢いはあるのですが、一巻に比べて何が足りないって萌えが足りない?面白い、面白いのですが今一歩足りないのは何故。
しかし、このまま進んでいくのもどうなんでしょう。主人公の設定が微妙スギなのが原因でしょうか。
次巻の展開如何だと思うのですが今回と同じような展開で続くと少し飽きがきそうな予感。頑張って下さい。
ISBN:4086302764 文庫 前嶋 重機 集英社 2006/01/25 ¥580
『怪物』、誕生。
武装司書たちの本拠・バントーラ図書館が神溺教団を名乗る何者かの襲撃を受け、さらに先の戦闘で死んだルイモンの『本』が盗まれた。その奪還の任務を背負った見習い武装司書・ノロティ。彼女が必死の捜索を続ける中、突如ハミュッツが現れ…SD新人賞大賞受賞シリーズ、第2弾!
http://dash.shueisha.co.jp/whatnew/-bakudan/index.html
独特のダークで退廃的な世界観の中でそれぞれの存在を賭けて戦う。中々燃えるシチュエーション。そしてストーリーギミックもクセはあるものの独特でミステリの風味も加味され、個性の際立ったシリーズと言えるかと思います。
滅びのマヤウェルと共に第四回新人賞大賞の第二作として十分のクオリティを維持した続編。MF文庫Jと言い、以前までのマイナーレーベルから確実に育ってくる作品がある事は喜ばしいことです。
ISBN:4840233063 文庫 橋本 紡 メディアワークス 2006/02 ¥557
ついに退院した里香は、裕一と同じ学校に通うことになった。正真正銘のスクールライフを送る日がやってきたのだ。二人いっしょの登校、いっしょの校庭、いっしょの下校。なんでもない、ありふれた日常だけれど、長い道を歩いてようやくたどり着いたのがそこだった。そう、二人が生きていく場所は病院ではない。当たり前の場所で、当たり前の生活を送る日々が、本当に大切なこと──。
 “僕たちはこの小さな町で寄り添って生きていく”
 橋本紡&山本ケイジが贈る、大好評シリーズ第六弾、感動の本編完結! 裕一の里香の司のみゆきの夏目の、それぞれの未来は──。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/new/next.php#6
幸せな日々は訪れた。それが幾ら儚くやがては潰えるモノでも。そして、【今】は緩やかに終わっていく。

読んでいる間、これが夢オチでない事を祈りました。結局は作者が後書きで語ったように本来であれば5巻で終わっていた物語の後日談。
“僕たちはこの小さな町で寄り添って生きていく”
この一言こそこのシリーズの最後を締めくくるに相応しい言葉だったのでしょう。
この巻と言うよりは静かに終わっていくこの物語に、そして主人公の2人に幸多かれと。
ISBN:4758070008 コミック 林家 志弦 一迅社 2006/01/18 ¥900
現在売り出し中の人気アイドル・橘樹里亜が一目惚れした相手は、なんと後輩のアイドルの卵・浅川蘭!! 同じ女の子なのになぜかドキドキしてしまう、このキモチの正体は…!? 熱烈にモーションをかける樹里亜だが、素で天然な蘭は絶妙なタイミングで受け流す!!
そんなふたりのヤキモキに拍車をかける、女性を愛する女性による人気ビジュアル系バンド・ZLAY(ズレイ)、樹里亜&蘭のスキャンダル封じに苦心する苦労人マネージャー冴木涼子、女たらしの美容師・新城薫、樹里亜と同期の新人アイドル・榎本春菜といった面々。
キケンな女子たちがノンストップで繰り広げる超絶ハイテンション・ギャグと、めくるめく恋模様がシェイクされた最強ラブコメ!! [Amazon.com]
いや、これもごーさんの所でチェックして買ったんですが。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~go-as/main.htm
林家志弦、かなり良いですね。お約束だがギャグにキレがある(笑 絵柄も申し分ないですしね。
これは『はやて×ブレード』も買って見るしかないかなと思ってます。古本屋に置いてないかな。
ISBN:475772604X 文庫 ミギー エンターブレイン 2006/01/30 ¥672
一風変わった“恋愛小説家”の父を持つ荒野。再婚した父への複雑な思いと、淡い“初恋”に終わった悠也との思い出を抱えながら、14歳になり少し大人になった荒野の“恋”に対する恐れと驚愕を描く、桜庭一樹「恋の三部作」第二弾。
http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_catalog/book/2006/4-7577-2604-X.html
移り変わる季節と共に少女は一歩一歩大人になる−女性作者らしい青春・・・と言うより少女小説。レーベル的にはどちらかというとコバルトか、それとも昔懐かしむ純文かと言う所。父親の再婚相手との関係や、友人が『彼』と付き合い始める中で遠い悠也への思い。そして告白と拒絶。新たな生。
接触恐怖症の少女が少しずつ異性を感じ始め、体得していく、一歩一歩。瑞々しい筆致と描写が折りなす桜庭ワールド。
ISBN:4861272319 コミック 江草 天仁 マッグガーデン 2006/01/26 ¥580

http://www.alchemist-net.co.jp/products/bincho/

これはヤバイ。切な過ぎる。サブキャラはどうでも良いのだが。
おしんか、おしんなのか。

と思ったらアニメも始まりましたね・・・。
http://www.tbs.co.jp/bincho/

『びん』ちょうタンとびんにアクセントをつける呼び方に違和感が・・・。
ISBN:4785926058 コミック 水上 悟志 少年画報社 2006/01/27 ¥600
ある朝起きたら言葉を喋るトカゲがいた……。
平凡な大学生だった夕日の前に現れたトカゲの名はノイ。彼は地球を滅ぼす魔法使いから姫を守るために馳せ参じた騎士という。拒否する間もなくノイから指輪と能力が与えられた夕日に襲いかかる敵。逃げまどう夕日を救ったのは隣りに住む少女・さみだれだった。野望を隠し持つ姫さみだれにトカゲの騎士ノイ。そして心に傷を持った歪んだ騎士・夕日。野望にバトルに恋愛?に。地球を巡る小さいようででっかい物語が始まる!
http://www.mangaoh.co.jp/php/data_product.php?i_prd_code=113897
ごーさんの日記で名指しで向きとか言われたので購入しました。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~go-as/main.htm

いや、言われなくてもごーさんの購入リストの名前を見て買おうかなと思ってましたので、同じアワーズの『それでも町は廻っている 1』と一緒に買ったんですけどね。
ちなみにそれ町はちょっと違うメイドモノとして人気?らしい。
http://www.akibablog.net/archives/2006/02/post_319.html

で、話を戻してさみだれを読んでみると・・・なんですかこれは。所謂朝日奈先生本と言うわけですかそうですか。

いや、話は突拍子も無いですけど主人公とかなかなか良いですね。
ストーリーはこれからどう転がるかだと思います。

まあその。取り合えず朝日奈先生と言う事で。(まだ言うか)
http://www.mangaoh.co.jp/image/4785926058_9.jpg

それでも町は廻っている、も面白かったです。一時期どうなるかと思ったアワーズですが新連載はかなり頑張っているようですね。
(まああの仕様になってからかさばるので買ってないけど)
ついに結果が発表されました。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1137160796/310-334
即日2時間での発表はかなり早く集計人さんの苦労が偲ばれます。
ご苦労さまでした。
取り合えずBEST10だけ転載します。

大賞 39票
■ある日、爆弾がおちてきて■ 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
ライトノベル板での評価はかなり高かったので上位に来るのは予想していましたがまさか大賞になるとは。最近ヒット作は無かったとはいえ、古典とも言えるブラックロッドの時代からのコアのファンも多く、またクオリティの高さは勿論ですが、短編・ボーイミーツガール・ハッピーエンド多めと万人に受け入れやすい要素が多かったのも受賞の一因だと思われます。

第2位 30票
■円環少女 (1) バベル再臨■ 【著:長谷敏司/絵:深遊/レ:スニーカー文庫】
戦略拠点32098 楽園以来、寡作だった作者のスマッシュヒット。自分としては設定やキャラは非常に良かったものの、読みづらさで○に留めましたが、さすがライトノベル板の玄人衆にはそれ程のマイナス点ではなかったようです。これを機会に定期的に新作が出ると良いのですが・・・。

同率第3位 24票
■灼眼のシャナ X■ 【著:高橋弥七郎/絵:いとうのいぢ/レ:電撃文庫】
アニメ化もされて絶好調の灼眼のシャナが堂々のランクイン。
でも私は8巻くらいから買うの止めているのですが(笑)

同率第3位 24票
■AHEADシリーズ 終わりのクロニクル (7)■ 【著:川上稔/絵:さとやす(TENKY)/レ:電撃文庫】
世に言う『都市厨』『川上儲』の根強さを感じます。またページ数
1000を越え、ライトノベル史上最厚を記録したその装丁も話題を集めました。ちなみに私は川上作品は苦手なので読んでません。
設定先行のような作品は苦手なのです。(清涼院とか)
http://akibablog4.on.arena.ne.jp/2005-12-08-410.html

第5位 22票
■封仙娘娘追宝録 (9) 刃を砕く復讐者 (下)■ 【著:ろくごまるに/絵:ひさいちよしき/レ:富士見ファンタジア文庫】
なんと上巻が出てから実に6年。作者の最新刊から数えても3年半。まさか続編が出るとはと思われていたものが出たと言う事で。
勿論、封仙娘娘追宝録シリーズ自体も面白いのですが。

第6位 20票
■ニライカナイをさがして■ 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
もう少し上位に行くと思ったのですが残念。感想は後ほどの自分の投票にて。

第7位 18票
■ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い■ 【著:西尾維新/絵:竹/講談社ノベルス】
まあ、賛否両論はっきり分かれたシリーズ最終巻ですからこの位置は順当と言えば順当でしょう。私ははっきり駄作だと思ってますがネ。

第8位 17票
■BLACK BLOOD BROTHERS 4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲―■ 【著:あざの耕平/絵:草河遊也/レ:富士見ファンタジア文庫】
未チェックのシリーズ。ですがあざの耕平はある意味鉄板ですので後で纏めて買える機会を探しましょう。

同率第9位 13票
■半分の月がのぼる空 5 long long walking under the half-moon■ 【著:橋本紡/絵:山本ケイジ/レ:電撃文庫】
明らかに繋ぎで終わったのと、正直この巻でやめといたほうが・・・と言う危惧で○つけに終わったものの、この位置は当然と言えるシリーズ。

同率第9位 13票
■ゼロの使い魔 (6) 贖罪の炎赤石■ 【著:ヤマグチノボル/絵:兎塚エイジ/レ:MF文庫J】
これがかなり意外でした。ツンデレの王道作品ですが、それだけでは無い深みも意外にあったりしてあなどれないシリーズです。
さて、BEST10はこんな感じでした。片山憲太郎作品が食い込むかと思ったのですが、電波と紅で完全に票が割れてしまったようです。残念。
しかし、このBEST10に限らず、少なくとも3票以上入っている作品はチェックしてみても損の無い作品だと思います。
未チェックのものがあれば是非手にとって見ては如何でしょうか。

最後に自分の投票分。
○ニライカナイをさがして 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
素晴らしい!。展開もキャラもベタそのもの。しかし、それを圧して魅力的なキャラと描写力。
ボーイ・ミーツ・ガール小説のまさに手本。作者曰くロードムービー小説と言うが如く、沖縄を
舞台にした短編恋愛映画を心地よく見終わったかのような爽やかな余韻。
読み切り小説としての完成度は非常に高い。葉山透の底力を感じさせる一冊。

薔薇のマリア III. 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 【著:十文字青/絵:BUNBUN/レ:スニーカー文庫】
SMC編のまとめとして相応しく鬱展開から反撃まで怒涛の勢いで熱く読ませてくれます。
集団戦から個人戦までシーン描写は全て臨場感があり、個々のキャラ立ちも見事。
シリーズとして完熟の一作と言えると思います。

ある日、爆弾がおちてきて 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
白古橋の名作。短編七話ともにハズレがない。突飛な設定を物語として上手に昇華し、
しかも短編として纏める。そしてそのどれも余韻高い。見事としか言いようのない上質な
短編集。

紅 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
幸福ゲームも良かったがインパクトでこちらを。7歳のヒロイン紫を初めとしてサブヒロイン全てが
魅力的なボーイ・ミーツ・幼女小説。特に紫は少女なりと奔放さと素直さがしっかりと書かれていて
好感が持てる。。エンディングも爽快で、どちらかと言うと白片山作品といった感がまた好ましい。
イラストも抜群でどっから切ってもレベルの高い、完成度の非常に高い一作。

聖者の異端書 【著:内田響子/絵:岩崎美奈子/レ:C・NOVELS FANTASIA】
正統派のゴシックファンタジー。注目のギミックは主人公の姫君が宗教的に地位が低く名も語られぬ
女性として扱われている所。これがラスト、そしてエピローグまで貫かれ、読後に独特の余韻を残して
くれます。12月のベロニカと言い、こう言うクラシックなファンタジーに弱いのです。

以上、ライトノベル板大賞 2005下半期の結果と感想でした。
さて、ライトノベル板大賞が締め切ったので自分的な総括を少し。
この下半期の期間でこの日記で◎をつけた作品は以下。
紅 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
ニライカナイをさがして 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
空ノ鐘の響く惑星(ほし)で (9) 【著:渡瀬草一郎/絵:岩崎美奈子/レ:電撃文庫】
私立!三十三間堂学院 【著:佐藤ケイ/絵:かみやまねき/レ:電撃文庫】
銀盤カレイドスコープ vol.5 ルーキープログラム 【著:海原零/絵:鈴平ひろ/レ:スーパーダッシュ文庫】
銀盤カレイドスコープ vol.6 ダブル・プログラム 【著:海原零/絵:鈴平ひろ/レ:スーパーダッシュ文庫】
プリンセスの義勇海賊 【著:秋山完/絵:結賀さとる/レ:ソノラマノベルス】
滅びのマヤウェル―その仮面をはずして 【著:岡崎裕信/絵:西E田/レ:スーパーダッシュ文庫】
ある日、爆弾がおちてきて 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
かくて背信の旅はおわる トワイライト・トパァズ4 【著:佐々原史緒/絵:瑚澄遊智/レ:ファミ通文庫】
煉獄のエスクード(2) The Song Remains The Same 【著:貴子潤一郎/絵:ともぞ/レ:富士見ファンタジア文庫】
ブルースカイ 【著:桜庭一樹/絵:----/レ:早川文庫JA】
魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 (2) 【著:月見草平/絵:銀八/レ:MF文庫J】
薔薇のマリア(3) 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 【著:十文字青/絵:BUNBUN/レ:スニーカー文庫】
老ヴォールの惑星 【著:小川一水/絵:撫荒武吉/レ:早川文庫JA】
聖者の異端書 【著:内田響子/絵:岩崎美奈子/レ:C・NOVELS FANTASIA】
憐 Ren ~routine~ 【著:水口敬文/絵:シギサワカヤ/レ;スニーカー文庫】
電波的な彼女 ~幸福ゲーム 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
クドリャフカの順番―「十文字」事件 【著:米澤穂信/絵:−/レ:角川書店】
犬はどこだ 【著:米澤穂信/絵:−/レ:東京創元社】
米澤穂信はミステリ畑のハードカバー出版であるけれどもクドリャフカは古典部シリーズの正当な続編であるし、クオリティの高さでは他を圧していた。ライトノベル板大賞から外したのはミステリとして評価しているからに過ぎない。
片山憲太郎は電波的な彼女から一転、『紅』で明るめの作品で新たな可能性を示して見せた。
薔薇マリ、空鐘、銀盤カレイドスコープ、半分の月がのぼる空、タクティカルジャッジメント、ゼロの使い魔、GOSICK、など鉄板のシリーズが好調な裏で、惜しまれながらも完結したシリーズも多い。
トワイライト・トパァズ、平井骸惚此中ニ有リ、憐、そして私はあまり評価していないが西尾維新の戯言シリーズ。がそんな所だろう。
小川一水、成田良吾は安定した作品を出しているがインパクト的にはイマイチではあった。また新井輝のRoomシリーズも段々と尻すぼみになっているきらいが感じられる。
短編のまとめとは言え星界シリーズの新刊、断章が発売されたのは嬉しいニュースであったが、久しぶりと言えば秋山完の新刊、プリンセスの義勇海賊も嬉しいニュースであった。小川一水に負けずに国産SFの旗手として頑張ってほしいのだが。

そんな中、二重丸はつけなかったものの、
神様ゲーム カミハダレニイノルベキ 【著:宮崎柊羽/絵:七草/レ:スニーカー文庫】
疾走!千マイル急行 【著:小川一水/絵:長澤真/レ:ソノラマ文庫】
円環少女 (1) バベル再臨 【著:長谷敏司/絵:深遊/レ:スニーカー文庫】
わたしたちの田村くん2 【著:竹宮ゆゆこ/絵:ヤス/レ:電撃文庫】
このあたりは印象深かった。

しかし年々売れる本はシリーズ化していくこの業界で読み切りで読ませると言う事が段々貴重になってきたように感じる。
そう言う意味でニライカナイ、ある日爆弾が〜、聖者の異端書、ブルースカイ等が新鮮に見え、結果として今回の投票行動に反映されたと言える。
ISBN:4063144038 コミック かとり まさる 講談社 2006/01/23 ¥570
意外とシリアス路線を突っ走る女流棋士にスポットを当てた漫画。
ちなみに女流棋士は決してプロ棋士ではない。プロ棋士とは新進棋士奨励会(奨励会)で経験を積み4段に上がり日本将棋連盟の正会員者になった者の事を言う。
女流棋士は奨励会ではなく女流育成会と言う独自の組織を持ち、そこでの成績優秀を持って任ぜられる。
勿論『ヒカルの碁』の名瀬のように女性が奨励会に入りプロ棋士を目指す事は可能だけれど史上、4段となりプロ棋士になった女性は存在しない。また女流棋士が奨励会と掛け持ちする事も現在禁止されている。
かように女流棋士はプロ棋士とは格段の実力差があるとされている訳だが1990年代から公式のタイトル戦に女流棋士の参加枠が開放され、女流の活躍の場も広がってはいる。

三巻ではメインキャラとなる女流棋士3人(1人は・・・だが)の台頭と、その活躍の場としてプロ棋士・女流棋士・アマ棋士の垣根を取り払ったオープントーナメントが開催された。
プロ棋士の師匠と女流棋士の弟子、そして新勢力として小学生アマ棋士などバトルロイヤルの様相を呈して、作品はいよいよ盛り上がる。昨今中々注目の漫画なのである。

誘拐の果実 (上)

2006年1月27日 読書
ISBN:4087478793 文庫 真保 裕一 集英社 2005/11/18 ¥680
病院長の孫娘が誘拐された。身代金は捜査の手を逃れて緊急入院した実業家の命。陰謀か、挑戦か。同時期にもう一つの誘拐が! 逆転に次ぐ逆転、戸惑う家族と捜査陣。前代未聞の誘拐事件を描く長編。
17歳の病院長の孫が誘拐され、その事件と重なるように19歳の本屋の跡継息子が誘拐された。
奇妙な要求、翻弄される捜査陣、事件を機に変わろうとする家族。しかしその二つの誘拐の根底には・・・。

真保裕一の作品の中でも抜群の出来だと思います。上巻では誘拐事件の成り行きでぐっとひき付け、下巻ではその真相が二転三転して語られる。まさに息もつかせぬドラマが繰り広げられます。
最後の真相については綺麗に纏めすぎとの感もありますが、作品の完成度を損なうものではないし、素直に読めば非常に感動します。

後書きにもありますが著名なミステリ作家の誘拐モノと言うのはありふれたテーマであるだけに生半可では書けない=名作多しの図式があるのでしょうか。この誘拐の果実も真保作品の中でも圧倒的な存在感のある作品だと思います。

ミステリどうのこうのと言うよりも一つのドラマとして楽しめる傑作。というか主人公の19歳と17歳の男女をイラスト変換すればライトノベル派にもイケる本だと思うのですがどうでしょう(笑

積本減らし。

2006年1月26日 日常
積本を気合で減らした週。

新保祐一『誘拐の果実』は秀逸。
誘拐モノとしても人間ドラマとしても上級のエンタテイメント。

ライトノベルでは

・9S<ないんえす?>SS 【電撃】
・覚醒少年 エクスプローラー 【富士見ミス】
・楓の剣! 【富士見ミス】
・A君(17)の戦争9 われらがすばらしいとき 【富士見フ】
・フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォース 【富士見フ】
・ファイナルバード シーカー レスキューウィングス 【MF文庫J】

このあたりを読了。ハズレ無しでクオリティ高い。

漫画は

・しおんの王 3
・BAMBOO BLADE 2

を購入。しおんの王は勿論だがバンブーブレイドも中々面白い。
順次感想を書ければ・・・。

繁忙期。

2006年1月18日 日常
仕事が忙しい忙しい。

川崎の客先の途中でラーメンSymphonyに寄れたのでいまむらのラーメンを食す。
http://www.kawasaki-be.ne.jp/symphony/

コクのある魚系スープとぽくぽくした極太麺がマッチして美味しい。しかし、こってりにすると油が多すぎて胃にもたれる。次回はつけ麺食べてみようか。

Webネタ。
世界史上の人物をコーエー数値化するスレまとめ
http://www.h7.dion.ne.jp/~sankon/2ch/history/
列伝を読んでいるだけで楽しい。クオリティが非常に高い。
軍事板と世界史板は偶に覗きますが特に世界史板はたまに興味のあるスレッドを熟読すると楽しいです。

趣味系
富士見ミステリ文庫『覚醒少年』読了。レビューは後ほど。
The Whisky World 4号、歴史群像2月号購入。
講談社ノベルス『Q.E.D』新刊も購入。
コミックスはのだめ14巻、ハヤテ5巻位。

1/22は目黒某Barのイベントに参加予定。楽しみです。

1月18日の日記

2006年1月15日 趣味
土曜日は休日出勤。早めに終えて開店直後の自由が丘のBarへ新年初訪問。冬の雨は温く、強く。仕事帰りの気怠い雰囲気が強まります。

でも一歩店に入るとリラックスモード。店員さんと四方山話をしながらまずはホットバタードラムカウでまったり。
シェリーが好きな店員さん。ベネンシアの話とか聞いているとたまには飲みたくなってくる。
とは言え、新しいボトルも続々と入っているようで結局はモルトと言う事に。
・BALMENACH 1971 15y 46% Moncreiffe Single Malt Collection
・GLENCAWDOR 1976 57% SAMAROLI(SPRINGBANK)
・GLENFARCLAS 1970-1996 53.2% OB
・STRATHISLA 1965-2002 51.7% JamesMacArthur

バルメニックは実は飲むのは初めて。オールド感がありながらウッディなバニラの飲み返しを持つゆっくり楽しめるモルト。
グレンカウダーはパワフルできわめてブリニー。カリラ、塩気の強いブローラを思い起こさせる。
ファークラスはベタ甘だがこれも力強く、ファークラスらしいコシのあるボトル。
ストラスアイラは長熟感はあるが少しヒネが気になった。

GLENCAWDORの57%がかなりキツく感じられ明らかに体調が整っていないのを感じたのだが突っ走ってしまった。こう言うときにシェリー系のモルトは辛い。せっかくのボトルを勿体無い事をした。

帰りに豚そば家大大にて味噌玉二刀麺を食す。
濃厚でとろりとした豚骨ベースのスパイシーなスープと細麺、太麺の二種類の麺と、まさにここでしか食べられないような個性的な味わい。美味しいです。
いよいよ2chライトノベル板大賞が始まりました。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1137160796/

なんと今回は毎回ライトノベル板大賞なのにいつも忘れ去られていた『板』の字がスレッドにも復活!(余談)

思えば後の世にぶらり厨vs瑞っ子の大決戦として記憶に残らしめた2001年下半期に初めて投票をして以来、これで9回目。
半年に一回のこの大賞は総括としても祭りとしてもウキウキするものです。

1/14〜1/28の2週間の投票期間に昨年7月〜12月発売の作品から5作品までに投票する事が出来ます。
詳しいルールはスレッド参照の事。

いよいよ総括ですね。週末じっくり纏める事にしましょう。

過去の大賞の記録についてはまとめサイトもありますのでご興味がある方はどうぞ。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/3018/lnprz.html

また歴代の上位10位までの抜粋もあります。
http://onigiri.s3.xrea.com:8080/laten/index.php?%5B%5B%A5%E9%A5%A4%A5%C8%A5%CE%A5%D9%A5%EB%C2%E7%BE%DE%A5%EA%A5%B9%A5%C8%5D%5D
ISBN:4840232164 文庫 雨宮 諒 メディアワークス 2005/11/10 ¥578
僕はどこかへ行きたかった。 僕はどこへも行けなかった。
修一は、夢久島という長閑な島に暮らす高校2年生。
学校生活にどこか馴染めない自分を自覚しつつ “能面” を被って、友達とも “普通” に過ごしていた。
夏休みに入った日、修一は、港で海を見ながら泣いている一人の女性と出会う。
夢久島には、「海で “呪文” を唱えると本当の自分の居場所に連れて行ってくれる」 という噂がある。
その話を確かめるために彼女はこの島に来たというのだが……。
彼女との出逢いにより、修一の “能面” の日常に変化が訪れる。
はたしてその “呪文” とは――?
島に伝わる噂をめぐり、心に傷を抱えた人々が織り成す、心ビタミン短編連作ストーリー。
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?cd=A0512440
11月に買ってそのままにしておいた積本を漸く発掘。
読み始めは重苦しいストーリーなのかと思いきやさにあらず。普通のボーイ・ミーツ・ウーマンな物語を皮切りに『夏月の海に囁く呪文』に纏わる連作短編集になっています。
誰にでもある、自分の居場所は本当にここで良いのか、と言う漠然とした不安。自分と言う人間に対する不信、自身の無さ。
自分が自分で居られる本当の自分の居場所とは何処なのか。
その回答のヒントが得られるかも。
読みやすく、胸を突き、不思議な余韻に駆られる。
そんなつかみ所の無い物語。
ISBN:4044710058 文庫 十文字 青 角川書店 2005/12/28 ¥650
"エルデンの突如現れた謎の人物ルイ。自称“ベストセラー小説家”のその男が、8億ダラーの伝説の賞金首「蜥蜴四兄弟」の討伐企画を発表。マリアたちZOOも賞金目当てに参加することにするが、そこで待ち受けていたものとは!?一方、街は異界生物があふれ出てくるという異常事態に。「世界がおかしい」―人々がその異変に気付き始めた瞬間、それは大いなる意思による、大いなる実験のはじまりだった!異常事態に恋の花咲く新展開!!"
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200508000128
薔薇マリ四巻は新展開。いよいよキンググッダーを始めこの世界そのものの謎に話が踏み入り始めます。主人公マリアローズのいぢけっぷりが過剰で鬱陶しいのですが、それもしょうがないと思えるサブキャラ達の出鱈目な強さっぷりで上手にバランスをとっているのかなと。
前巻まで圧倒的な存在感を持っていたトマトクンが今回は出番無しなのもマリアローズの葛藤と脱皮をより前面に出すと共にサブキャラがトマトクンの前で霞んでしまわないようにと言う意図なのでしょうか(笑
マリアを巡る三角関係、ユリカに恋の予感?カタリ大活躍、やっぱり強いミスターピンパー等、小ネタを含めて飽きさせないWizadry風ファンタジーはますます今後が楽しみです。
ISBN:4840114722 文庫 著者:月見草平 イラスト:銀八 メディアファクトリ- 2005/12/22 ¥609
法の鍵も扱える特殊職業、魔法鍵師。鍵師試験をパスしたカルナは、師匠のミラの店で本格的に仕事の手伝いを始めていた。一方ミラは、旧友ブレイトンが残したランキンの「究極のマスターキー」に関する資料に没頭する毎日。ランキンの魂を受け入れた親友・エクセラの魂を救い出すためだ。そんなある日、店にひとりの女性がやってくる。ミラを見るなり「お姉様!」と飛びついた女性にカルナは驚くが、彼女はミラの後輩・ヴェルナだった。ヴェルナはミラに、「鍵開けの技術を教えてください」と頼みこむ。どうしても返してもらえないものがあるので、取り返したいというのだが……それって泥棒!? 鍵開けファンタジー、第3弾!
http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/bunkoj_detail.cgi?id=6380
魔法鍵師カルナシリーズも早くも三巻。派手さは無いのですが地味に面白いこのシリーズ。今回は鍵師から一転泥棒にと言うイベントで目先を変えてくれます。
エクセラとミラとの関係、そしてミラと後輩ヴェルナとの関係。ラストの展開もある程度読めてしまいますが王道のパターンでそれはそれで良し。欲を言えば手堅く纏めすぎの感はあります。
それも含めてこのシリーズのカラーなのでしょうが。
仕事が遅かったので目黒詣を諦めて帰ったのだが、何気に雰囲気で横浜からぷらぷらと岡野方面に歩いてみた。

そう言えばこの方面にもBarが幾つかあるのだよなと思いつき、まずはバー・イゲタへ。
ビルの奥まった場所にあり、カウンターのみ10席も無い、隠れ家のようなお店。一番奥には大きな液晶ディスプレイにオールドムービーが流れている。ちなみに昨日はマルタの鷹だった。
最初入る時にガリガリガリガリ音がしていてお客が居ない。
え、改装中?かと思ったら単にジューサーの音だった(笑)
以前ふと覗いたときにはお客さん一杯だったのに、今日は自分ひとり。
取り合えずハンフリーボガードを横目にまずはネグローニを注文。ヒゲのマスターは初見ちょっと怖そうだったが話してみるととても愛想の良い人だった。カクテルはきっちりと丁寧に作ってくれる。客層とか時間帯とか置いているお酒とか何気に話つつ、二杯目はフレッシュフルーツのお奨めカクテルと言う事でアルゴンキン。CCとノイリープラット、パイナップルジュースをシェイク。何気に強めのカクテルが続く。フレッシュなパイナップルの味が爽やか。奥では途中で入ってきた渋いオジサマがコートも脱がずにリベットのロック片手に本を読んでいる。
ウィスキーもスタンダードなものを30種位だろうか。バックバーの面積からしても限界ぽい。やはり中々ボトルは増やせないらしい。フェイマスグラウス12年を頼む。グレーンの甘味にまったりしていると隣のオジサマはドライマティーニ。渋いネ。
本当に隠れ家と言う感じで落ち着いてぼーっと飲めるお店。

エンジンがかかってもう一件と岡野の交差点を渡ってanalog barへ。店前の看板にはラムの品揃えがアピールされている。
入るとL字型のカウンター9席位と奥にテーブル一つ。
若くて爽やか系の格好良いマスターが1人で切り盛りしている。お客さんも多め。
取り合えずスプモーニを注文して店内を見回す。カウンターにはラム専門のメニューもあり、20種くらいが書いてある。マスター曰くラムは趣味でそんなに多く出るものでも無いらしい。最近はモルトを飲む人が多くて・・・と言う話も。へぇ。やっぱり地味に流行っているのだろうか。奥の2人連れもタリスカーが美味い美味いと言うてはる。
そんな中、せっかくなので落ち着いて楽しめるダークラムを。とお願いしてみると出てきたのはドーリーズXO。オロロソシェリー樽熟成のダークラム。シェリーの良い香りがする。
バルバドス産らしいがバルバドスって何処?と言う感じ。カリブ海なのだろうが・・・。

何気に酔ってきたのでこの夜はここで締め。帰りに近くの吉村家でラーメンを食べて帰宅は0時を回ってました。
寒い中良くまあ歩き回ったものです。お疲れさま。

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鴉

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