アリソンIII（上）
2004年3月16日 読書
だいぶ前に読み終わっていましたがアリソンIII。
『キノの旅』シリーズの作者さんの長編小説シリーズ第三巻は三部作で一応の締めの巻と言う事になっています。
正直、キノよりもアリソンの方が自分としては好きだったので完結はちょっと残念な気も。しかし、あとがきでもありますが、作者さんとしては元から三部作のつもりだったとか。してみると二巻で出た時におぉー続きが出たよ、と喜んだりしましたが、最初から計画通りだった訳ですね。
さて、中身の話ですが、さすがに分冊だけあって上巻だけではなんとも言えません。ただしょっぱなから主人公の死が予言されてしまうと言うなんともショッキングな導入。そして密かに張られる伏線。さて、この後どうやってまとめるの？と楽しみにしながら読み始めると、結局上巻は導入部分だけで終わってしまうのでいかにも消化不良です。取合えずさっさと下巻を出してください。
二ヶ月なんて待たせすぎです。
最近講談社ミステリを読む機会がめっきり減りました。
要因の一つは森博嗣に見切りをつけたからなんですが(笑)
その中で、未だに買い続けているのがこの高田祟史のQEDシリーズ。毎回の歴史ウンチクが楽しくて実際のミステリ部分そっちのけで買っているような感じです。まあ歴史オタですので。
今回は幕末。坂本龍馬暗殺を巡ってのお話。主人公奈々と妹沙織、そして桑原祟が高知に旅してそのついでに龍馬暗殺のミステリについてのウンチクを繰り広げる、と言うのが話の中心で実際に起こる殺人事件の方はあくまでつまみ程度です(笑)。
龍馬暗殺の実行犯については昔から歴史上の謎として様々に議論されて来ました。大きくあげると新撰組説、見廻組説、紀州藩説、薩摩藩説、土佐藩説等々。しかも実行犯とその黒幕は異なると言う議論もあり、中々興味深い物です。
まあこの本では見廻組実行犯、薩摩藩(西郷)黒幕説を最終結論にしていますがそこまでの検証もしっかりと組み立てられていて、これを機会に幕末の歴史に触れなおしてみたくさせるそんな一冊になっています。
このシリーズ、歴史ミステリだけに絞ったら・・・売れないんだろうな、やっぱり(笑)
