ISBN:4829115882 文庫 吉村 夜 富士見書房 ¥580

前からイチオシしていたハーモナイザーエリオンシリーズの最終巻。
ネブラ王国の秘宝、大水晶を強奪され、宮廷魔術師達は一命を賭しての追跡に旅立つ。一方強奪した側のゼロニア一行も必死の妨害工作を受けて順風万帆とは行かない。窮余の一策として未踏の危険海域に乗り込む覚悟を決めたゼロニア一行と傷つきつつもそれを追う宮廷魔術師達。果たして水晶の奪還はなるのか、そして物語の結末は?

典型的なファンタジーでありながらちょっとした工夫で世界観に特徴を持たせる事に成功しているだけでも中々だが、やはりこのシリーズは主人公が熱い。よくあるヒーローでもなければ妙に悪ぶった善人みたいな捻くれたキャラでもない。
名誉も欲しければお金も欲しい。でもその為に不正をしたり、自分が卑屈になるような事はしない。才能はある。しかし努力も怠らない。でもなるべく楽にも稼ぎたい。そう、本当に素直なキャラクターなのだ。だからこそ共感も持てる。
そして結末もなかなか面白い。甘いような気もするだろうがこう言う終わり方、本当にこのシリーズらしい終り方をしたのではなかろうか。3巻で盛り上がった話を上手にまとめて四冊で終わったこのシリーズは久々に楽しめたライトファンタジーだった。
自分の中では名作と言うに足ると思うのだが、どうだろうか。
鴉

お気に入り日記の更新

日記内を検索