さて、ライトノベル板大賞が締め切ったので自分的な総括を少し。
この下半期の期間でこの日記で◎をつけた作品は以下。
紅 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
ニライカナイをさがして 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
空ノ鐘の響く惑星(ほし)で (9) 【著:渡瀬草一郎/絵:岩崎美奈子/レ:電撃文庫】
私立!三十三間堂学院 【著:佐藤ケイ/絵:かみやまねき/レ:電撃文庫】
銀盤カレイドスコープ vol.5 ルーキープログラム 【著:海原零/絵:鈴平ひろ/レ:スーパーダッシュ文庫】
銀盤カレイドスコープ vol.6 ダブル・プログラム 【著:海原零/絵:鈴平ひろ/レ:スーパーダッシュ文庫】
プリンセスの義勇海賊 【著:秋山完/絵:結賀さとる/レ:ソノラマノベルス】
滅びのマヤウェル―その仮面をはずして 【著:岡崎裕信/絵:西E田/レ:スーパーダッシュ文庫】
ある日、爆弾がおちてきて 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
かくて背信の旅はおわる トワイライト・トパァズ4 【著:佐々原史緒/絵:瑚澄遊智/レ:ファミ通文庫】
煉獄のエスクード(2) The Song Remains The Same 【著:貴子潤一郎/絵:ともぞ/レ:富士見ファンタジア文庫】
ブルースカイ 【著:桜庭一樹/絵:----/レ:早川文庫JA】
魔法鍵師(ロックスミス)カルナの冒険 (2) 【著:月見草平/絵:銀八/レ:MF文庫J】
薔薇のマリア(3) 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 【著:十文字青/絵:BUNBUN/レ:スニーカー文庫】
老ヴォールの惑星 【著:小川一水/絵:撫荒武吉/レ:早川文庫JA】
聖者の異端書 【著:内田響子/絵:岩崎美奈子/レ:C・NOVELS FANTASIA】
憐 Ren ~routine~ 【著:水口敬文/絵:シギサワカヤ/レ;スニーカー文庫】
電波的な彼女 ~幸福ゲーム 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
クドリャフカの順番―「十文字」事件 【著:米澤穂信/絵:−/レ:角川書店】
犬はどこだ 【著:米澤穂信/絵:−/レ:東京創元社】
米澤穂信はミステリ畑のハードカバー出版であるけれどもクドリャフカは古典部シリーズの正当な続編であるし、クオリティの高さでは他を圧していた。ライトノベル板大賞から外したのはミステリとして評価しているからに過ぎない。
片山憲太郎は電波的な彼女から一転、『紅』で明るめの作品で新たな可能性を示して見せた。
薔薇マリ、空鐘、銀盤カレイドスコープ、半分の月がのぼる空、タクティカルジャッジメント、ゼロの使い魔、GOSICK、など鉄板のシリーズが好調な裏で、惜しまれながらも完結したシリーズも多い。
トワイライト・トパァズ、平井骸惚此中ニ有リ、憐、そして私はあまり評価していないが西尾維新の戯言シリーズ。がそんな所だろう。
小川一水、成田良吾は安定した作品を出しているがインパクト的にはイマイチではあった。また新井輝のRoomシリーズも段々と尻すぼみになっているきらいが感じられる。
短編のまとめとは言え星界シリーズの新刊、断章が発売されたのは嬉しいニュースであったが、久しぶりと言えば秋山完の新刊、プリンセスの義勇海賊も嬉しいニュースであった。小川一水に負けずに国産SFの旗手として頑張ってほしいのだが。

そんな中、二重丸はつけなかったものの、
神様ゲーム カミハダレニイノルベキ 【著:宮崎柊羽/絵:七草/レ:スニーカー文庫】
疾走!千マイル急行 【著:小川一水/絵:長澤真/レ:ソノラマ文庫】
円環少女 (1) バベル再臨 【著:長谷敏司/絵:深遊/レ:スニーカー文庫】
わたしたちの田村くん2 【著:竹宮ゆゆこ/絵:ヤス/レ:電撃文庫】
このあたりは印象深かった。

しかし年々売れる本はシリーズ化していくこの業界で読み切りで読ませると言う事が段々貴重になってきたように感じる。
そう言う意味でニライカナイ、ある日爆弾が〜、聖者の異端書、ブルースカイ等が新鮮に見え、結果として今回の投票行動に反映されたと言える。
ついに結果が発表されました。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1137160796/310-334
即日2時間での発表はかなり早く集計人さんの苦労が偲ばれます。
ご苦労さまでした。
取り合えずBEST10だけ転載します。

大賞 39票
■ある日、爆弾がおちてきて■ 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
ライトノベル板での評価はかなり高かったので上位に来るのは予想していましたがまさか大賞になるとは。最近ヒット作は無かったとはいえ、古典とも言えるブラックロッドの時代からのコアのファンも多く、またクオリティの高さは勿論ですが、短編・ボーイミーツガール・ハッピーエンド多めと万人に受け入れやすい要素が多かったのも受賞の一因だと思われます。

第2位 30票
■円環少女 (1) バベル再臨■ 【著:長谷敏司/絵:深遊/レ:スニーカー文庫】
戦略拠点32098 楽園以来、寡作だった作者のスマッシュヒット。自分としては設定やキャラは非常に良かったものの、読みづらさで○に留めましたが、さすがライトノベル板の玄人衆にはそれ程のマイナス点ではなかったようです。これを機会に定期的に新作が出ると良いのですが・・・。

同率第3位 24票
■灼眼のシャナ X■ 【著:高橋弥七郎/絵:いとうのいぢ/レ:電撃文庫】
アニメ化もされて絶好調の灼眼のシャナが堂々のランクイン。
でも私は8巻くらいから買うの止めているのですが(笑)

同率第3位 24票
■AHEADシリーズ 終わりのクロニクル (7)■ 【著:川上稔/絵:さとやす(TENKY)/レ:電撃文庫】
世に言う『都市厨』『川上儲』の根強さを感じます。またページ数
1000を越え、ライトノベル史上最厚を記録したその装丁も話題を集めました。ちなみに私は川上作品は苦手なので読んでません。
設定先行のような作品は苦手なのです。(清涼院とか)
http://akibablog4.on.arena.ne.jp/2005-12-08-410.html

第5位 22票
■封仙娘娘追宝録 (9) 刃を砕く復讐者 (下)■ 【著:ろくごまるに/絵:ひさいちよしき/レ:富士見ファンタジア文庫】
なんと上巻が出てから実に6年。作者の最新刊から数えても3年半。まさか続編が出るとはと思われていたものが出たと言う事で。
勿論、封仙娘娘追宝録シリーズ自体も面白いのですが。

第6位 20票
■ニライカナイをさがして■ 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
もう少し上位に行くと思ったのですが残念。感想は後ほどの自分の投票にて。

第7位 18票
■ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い■ 【著:西尾維新/絵:竹/講談社ノベルス】
まあ、賛否両論はっきり分かれたシリーズ最終巻ですからこの位置は順当と言えば順当でしょう。私ははっきり駄作だと思ってますがネ。

第8位 17票
■BLACK BLOOD BROTHERS 4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲―■ 【著:あざの耕平/絵:草河遊也/レ:富士見ファンタジア文庫】
未チェックのシリーズ。ですがあざの耕平はある意味鉄板ですので後で纏めて買える機会を探しましょう。

同率第9位 13票
■半分の月がのぼる空 5 long long walking under the half-moon■ 【著:橋本紡/絵:山本ケイジ/レ:電撃文庫】
明らかに繋ぎで終わったのと、正直この巻でやめといたほうが・・・と言う危惧で○つけに終わったものの、この位置は当然と言えるシリーズ。

同率第9位 13票
■ゼロの使い魔 (6) 贖罪の炎赤石■ 【著:ヤマグチノボル/絵:兎塚エイジ/レ:MF文庫J】
これがかなり意外でした。ツンデレの王道作品ですが、それだけでは無い深みも意外にあったりしてあなどれないシリーズです。
さて、BEST10はこんな感じでした。片山憲太郎作品が食い込むかと思ったのですが、電波と紅で完全に票が割れてしまったようです。残念。
しかし、このBEST10に限らず、少なくとも3票以上入っている作品はチェックしてみても損の無い作品だと思います。
未チェックのものがあれば是非手にとって見ては如何でしょうか。

最後に自分の投票分。
○ニライカナイをさがして 【著:葉山透/絵:山都エンジ/レ:富士見ミステリー文庫】
素晴らしい!。展開もキャラもベタそのもの。しかし、それを圧して魅力的なキャラと描写力。
ボーイ・ミーツ・ガール小説のまさに手本。作者曰くロードムービー小説と言うが如く、沖縄を
舞台にした短編恋愛映画を心地よく見終わったかのような爽やかな余韻。
読み切り小説としての完成度は非常に高い。葉山透の底力を感じさせる一冊。

薔薇のマリア III. 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐 【著:十文字青/絵:BUNBUN/レ:スニーカー文庫】
SMC編のまとめとして相応しく鬱展開から反撃まで怒涛の勢いで熱く読ませてくれます。
集団戦から個人戦までシーン描写は全て臨場感があり、個々のキャラ立ちも見事。
シリーズとして完熟の一作と言えると思います。

ある日、爆弾がおちてきて 【著:古橋秀之/絵:緋賀ゆかり/レ:電撃文庫】
白古橋の名作。短編七話ともにハズレがない。突飛な設定を物語として上手に昇華し、
しかも短編として纏める。そしてそのどれも余韻高い。見事としか言いようのない上質な
短編集。

紅 【著:片山憲太郎/絵:山本ヤマト/レ:スーパーダッシュ文庫】
幸福ゲームも良かったがインパクトでこちらを。7歳のヒロイン紫を初めとしてサブヒロイン全てが
魅力的なボーイ・ミーツ・幼女小説。特に紫は少女なりと奔放さと素直さがしっかりと書かれていて
好感が持てる。。エンディングも爽快で、どちらかと言うと白片山作品といった感がまた好ましい。
イラストも抜群でどっから切ってもレベルの高い、完成度の非常に高い一作。

聖者の異端書 【著:内田響子/絵:岩崎美奈子/レ:C・NOVELS FANTASIA】
正統派のゴシックファンタジー。注目のギミックは主人公の姫君が宗教的に地位が低く名も語られぬ
女性として扱われている所。これがラスト、そしてエピローグまで貫かれ、読後に独特の余韻を残して
くれます。12月のベロニカと言い、こう言うクラシックなファンタジーに弱いのです。

以上、ライトノベル板大賞 2005下半期の結果と感想でした。
鴉

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