ISBN:4150308039 文庫 新城 カズマ 早川書房 2005/07/21 ¥693
無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験をくりかえすなかで、自らの能力を自覚していく悠有。いっぽう、辺里の町では不穏な出来事が進行していた──続発する放火事件と謎の脅迫状。やがてぼくらは、悠有が一度も過去へ跳ばないことに気づいてゆく。そして花火大会の夜、悠有が姿を消した──。全二巻完結。
http://www.hayakawa-online.co.jp/

さて、これはどう評価すべきなのだろう。
ほぼ最後に語られる未来と、その未来へ一足先に跳んでいき、そのまま跳び続けていくのであろう少女。
この二冊の殆どを締めるローカル系の様々な事件は如何にして少女は跳んだか、その周囲を埋める為のテキストなのだろうか。
何にしろ偽装誘拐、放火犯の正体、そして語られるその後と独り飛び続けているであろう悠有。
仲間達は大人になり、青春時代の未来への漠然とした不安と絶望はそのうち自らの現実、そして過去へと流れ去っていく。
そして今も、かつての少年は今も少女の行く先へと思いをはせる。
物悲しく切なく余韻を残す終わり方だ。
大人にならねばならない少年少女達のひと夏を切なく描く青春小説として読むのか、最後だけを評してSF小説として読むのか、そんな事はどうでも良いがなんとも総体的な評価?に困る作品ではある。
久々に他の人の書評を読んでみたい小説だ。
貴方はこの本を読んで何を思いましたか?

BlogMAPのサマー/タイム/トラベラー2のページ。
http://1470.net/bm/asininfo/4150308039
ISBN:4044249083 文庫 三田 誠 角川書店 2005/07/30 ¥540
魔法使い派遣会社〈アストラル〉2代目社長の伊庭いつき。入院先で同室となった少女・黒羽まなみが呪波汚染に襲われるが彼女にはある秘密が……!?
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200411000149
レンタルマギカも三冊目にして短編集。時系列的には1巻と2巻の間の話。所謂一巻が出た後でザ・スニーカーで連載したものですね。
三冊買ってきたにも関わらずこのシリーズ苦手です。
第一に主人公がつまらない。普段の性格もそうですが、妖精眼を発動させてもイマイチ魅力が上がらない。なんとなくうだつが上がらないキャラなんですよね。それにヒロインであるはずの穂波が不遇すぎる。作者は穂波というキャラが嫌いなんじゃないかとまで思う不遇っぷり。で脇のキャラに注力を注いでるってメインキャラ立たせないで脇に行かれてもなぁと思うわけです。みかんとかアディとか描く時は気合入ってるんだよな(笑)
そんな訳で後一冊くらいで見切りつけるかもしれません。
ISBN:4086302470 文庫 山本 ヤマト 集英社 2005/07/22 ¥650
ターゲットにされたジュウ、犯人の目的は!?
些細な嫌がらせも、積み重なると苦痛になる。人に恨まれる心当たりのあるジュウはあまり気にせずやり過ごしていたが、ついに限界に達し、雨をつれて犯人探しを始める。人の弱さが歪んだ強さに変わる恐怖、犯人の行動理念に驚かされる!電波系サスペンス第3弾!!
http://dash.shueisha.co.jp/whatnew/-denpa/index.html
タイトルとは違い、しっかり読み込める学園ミステリー/サスペンス小説シリーズ第三巻。前作よりも確かにサスペンス風味が勝っている今作。いきなり痴漢の容疑をかけられ退学に追い込まれそうになるジュウ、その余波で恋する相手の前で辱めを受けた雨の妹、光。自らの事よりも光の為にジュウは動き出す。
本筋は相変わらずダークな事件。そして途中でちりばめられる雨や雪姫とのエピソード。先ほどレビューを書いたレンタルマギカと大骨の構成は似てるのだが何故出来がこれ程違うのだろう。やはり主人公の心情の描き方、行動の動機を如何に読者に納得させ感情移入させるかなのかなと思います。中心がしっかりしているからこそ脇も光るわけですよ。
とにかく最後にはちょっとしたどんでんがえしもあり、学園サスペンス物として読み応え十分。期待を裏切らない出来の三冊目。
文句なくお奨めです。
ISBN:4840112908 文庫 ヤマグチ ノボル メディアファクトリー 2005/07/22 ¥609
才人はある日突然異世界ハルケギニアに『召還』されてしまった高校生。元の世界に戻る方法を探しつつ、美少女魔法使い(メイジ)・ルイズのもとで使い魔として暮らしている。顔は可愛くても高飛車で意地っ張りなルイズとは、いつからかお互いを意識するようになったものの、すれ違ってばかり。そんな状態で迎えた夏休み、アンリエッタ女王に町の偵察を頼まれた才人とルイズは、下町の酒場で住み込みのアルバイトを始める。ルイズはプライドの高さから客を怒らせてばかりだが、店では客からもらうチップを競う「チップレース」が行われることに……(第一話)。今回は夏休みを舞台にした短編集。大人気のキュルケ&タバサの出会い編も収録!
http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/bunkoj_detail.cgi?id=5985
なんか今回読んだのは短編集ばっかりですね・・・という訳でゼロの使い魔もシリアスな本編からインターミッションと言う事で初めてのお使いに出発するルイズと才人な訳ですが・・・ルイズ無能すぎ(笑)
国の為に孤独な鉄の女王にならなければならない、そんなアンリエッタ女王の一日の脱出劇を描く『トリスタニアの休日』が今回の白眉か。
しかし、やはり本編のあの緊迫感がないとどーということのないツンデレ作品になってしまう事をこの巻で確認したゼロの使い魔。
さっさと本編に戻って欲しいですね。(を
ISBN:4044708037 文庫 水口 敬文 角川書店 2005/07/30 ¥560
未来から流刑としてやってきた朝槻憐は普通の少女として生きることへのあこがれと、未来から捨てられた“不要”な自分という狭間で悩み続ける。そんな憐の前にある事件が訪れる。憐たちの日常を綴る短編集登場!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200505000090
憐のシリーズ第三作目は中編集。どの作品も相変わらず憐が可愛いのです。これぞツンデレですか。
特に憐に恋のライバル出現?の『〜link〜』とかプールだ水着だカナヅチだ!の『〜strategy〜』とか本当に読者のツボをご存知ですね(笑)。砕けた話だけでは無くて進路と言う未来に悩む憐を描く『〜conclusion〜』、そして次作への伏線を残した『EPILOGUE』で締めて構成もお見事。さらにはイラストも仁美のキャラデザイン以外は素晴らしい。特にP189とかP235のイラストの憐が・・・。(逆に仁美はああじゃないような気がする。)
そんなわけでちょいと贔屓の◎をつけときますね。
木曽駒ケ岳に向かう。
金曜日の0時に家を出発。中央高速駒ヶ根インター到着は朝の5時。駒ヶ根から駒ケ岳ロープウェイ乗り場までは一般車立ち入り禁止の為、専用バスで向かう。30分間揺られながらロープウェイの起点しのび平駅に到着。
標高1661mのしのび平から標高2611mの千畳敷まで標高差およそ千メートルをなんと7分半で結ぶこのロープウェイ。断崖絶壁を物凄い速さで昇っていく。すれ違う下りのロープウェイがあっという間に過ぎ去っていく速さ。
そして目的地千畳敷カールに到着。気温は18度位。駅から外に出るとこんな感じ。
http://www.chuo-alps.com/
こりゃ絶景だわ。高山植物が花盛りを迎えておりました。
ちょっと重いけど景色などはこちらの写真でどうぞ。いや、自分で撮ったものじゃないですが(笑)
http://www.chuo-alps.com/web-photo/vol4_sakuhin1.html

千畳敷を歩いて40分。その後、鞍部の乗越浄土まで40分急な山道を登り。只、日が隠れて極端に寒くなり本格的な登山装備もしていなかった為、山荘で暖かい飲み物を貰ってここで戻る事にします。

何にせよ景色を堪能し、10時半には再び駒ヶ根のバス乗り場/駐車場に帰還。
近隣にある『こぶしの湯』http://www.chuo-alps.com/shi-3-2.htmlで汗を流した後、食事をして帰ってきました。こぶしの湯は入湯料500円ですが施設が綺麗で良い所でした。泉質はそれ程でもありませんでしたが。

早めに行った事もあり午前中に行程を終えましたがおかげで行きも帰りもあまり待ち時間は無くスムーズで快適な行程でした。
但し寝不足ですけどね(笑)。

ロープウェイは年中無休らしいので今度は秋にもう一度行って見たい良い場所でした。
更新しました・・・。
またもや一週間溜めての更新。
レビュー四冊と旅行の話。

日曜日は昨日の旅行の疲れもあって一日中うとうとしていました。

RoはGvの日。
先週chaos最強を誇るCCLE同盟が24週防衛のB2を捨てて同じく24週防衛のB4、DCしおん空想同盟を攻め40分で落とし、その長期防衛に幕を下ろしました。
その間隙を縫って自分が参加しているNF百鬼同盟が放棄されたB2を獲得。落城後の砦確保を目指すDCしおん空想同盟の攻めを、CCLE同盟や/bギルドのしおん追撃もあって無事守りきりました。

今週はそのB2の防衛。壮絶な最終回が予想されたモノの、スタダは先週の雪辱に燃えるDCしおん空想同盟のみ。とは言え相手は170名近くを数える大同盟。それに対してNF百鬼はいつもより少し多めの90名体制。およそ二倍の大軍です。
ただ、心強いのは先週のNFに続いて今週、城主Nostalgiaがエマージェンシーコールを獲得し、Emc2ギルド体制になった事。

そんなこんなでGv開始。序盤、EmCを持つNosとNFが庭でスタダ妨害を行いNFギルマスと同盟部隊を通します。そして5分前には両ギルドがEmc発動。ER防衛に入ります。山場は序盤の30分でした。敵は4ギルドがEmCを持ち、絶え間ない突撃をかけてきますが、それに対して城主Nosのロキダンサが何故か居らず、NFのダンサが急遽フォローしますがロキがなかなか張れないアクシデント。なんとかしのぎながらロキを展開しますが同盟が浮き足立ちます。20時30分前にSWの失敗なのかロキバードが落とされ、同時に無詠唱SGで前衛がごっそり削られ仕舞いにはLPが展開されます(写真)。ここが最大のピンチでしたが、なんとか死力を尽くして守りきり、突撃の切れ間でNos→NFとEmCを発動。戦力回復と共にNos所属バードダンサでのロキ張り直しを行いなんとか安定します。
この後、ERにマスターガーディアンが召還された事もあり、防衛はかなり安定します。途中3度程戦力回復及び物資補給の為に2ギルドのEmCが発動しますがタイミングを心得たもので陣形は直ぐに整えられ付け入る隙を与えません。このEmCからの高速防衛展開は防衛の役所を抑えたNF百鬼ならではなのではないかとこっそり自画自賛。
後半1時間はロキダンサバードへのSWもしっかり張られ、緊張感はあるものの安定した防衛で終わりました。
久々の完全防衛。しかもゲフェンで二倍の相手と二時間ガチと言う事でかなり満足の行くGvでした。
来週はラスボスCCLEを始め複数の中堅ギルドのご来襲が予想され、壮絶な最終回に期待十分です。

政界。

2005年8月10日 時事ニュース
亀井静香氏がワイドショーで
「こんなアコギで品の無い事をしていいのかね、自民党が」
とのたまっていて笑った。アンタが言うか、アンタが(笑)

覚悟の造反の筈なのにこう言う下らない談話があると萎えるね。
造反議員はマスコミが散々取り上げて味方してくれてるんだからグチグチ言わずに戦えば良いのに。
事の是非はともかく覚悟が違いすぎる。

姑獲鳥の夏

2005年8月11日 映画
「この世には、不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
昭和20年代末の東京では、ある奇怪な噂が世間を騒がせていた。雑司ヶ谷の久遠寺医院の娘、梗子が20ヵ月もの間妊娠し、夫は密室から消えてしまったというのだ。小説家の関口巽はふとしたことから事件に関わり、私立探偵の榎木津礼二郎と捜査に乗り出すのだが、次々と新たな謎が出現する。元看護婦の謎の死、消えた新生児、妖怪“姑獲鳥”の呪い……ついに“憑物落とし”京極堂が立ち上がる。果たして聞くも恐ろしい事件の真相とは?
http://www.herald.co.jp/official/ubume/index.shtml
今更ながらレイトショーで見てきましたよ、姑獲鳥の夏。自分としては普通に面白かったんですが、何しろ原作を知らない人は楽しめないでしょうね、これは。見所が解らないと思います。あくまで原作ファンが映像化を楽しむ作品かと。
活字で読むと気にならないんですが映像化すると京極堂喋りすぎでかなり鬱陶しくて少し印象が変わりました(笑)
後は何故か電灯、明かり消えまくりでその度に登場人物にスポットライトが当たると言う謎な演出と宮迫の木場修がかなり気に入りませんでしたが。
まあ粗探しはその位にして作品としては原作にかなり忠実に作ってある為に雰囲気は出ていたと思います。京極の堤真一はなんか違うような気がしますがでも精一杯やっていたような。永瀬関口は良いですね、原作そのままだと鬱陶しすぎるだろうから映像化の許容内の絶妙なバランスで上手に演じていたと思います。阿部榎さんは最初から気構えていたので抵抗なし。
姑獲鳥の夏だからこの時間でやれた訳で魍魎は無いだろうなぁ。下手にやるとますます原作読んでる人しか解らない作品になるだろうし(笑)。
とりあえず1200円分は楽しんだと言う作品でした。
まずはこちらのサイトを。
『アジアの安全な食べ物』
http://blog.livedoor.jp/safe_food_of_asia/

大分前のサイトなので見た時は加工写真のネタサイトだと思ってましたがコメント欄の議論をきちんと読むとWebニュースで報道された写真のようで、どうやらホンモノのようです。

最近ちらほら中国で農民や住民の暴動が・・・と言うニュースが聞こえてきますがこの環境汚染が原因のものが多いようです。
まるで5、60年前の日本を見ているようですが、何せ日本と中国では規模が違いますし農産物の輸入(輸出)量も段違いです。

少なくともこう言う現状があると言う事は心に留めておいた方が良い気がします。
弥栄堂さんのレトロフューチャーFLASHアニメーション『甲鉄傳紀シリーズ』最新作が公開されました。

弥栄堂
http://iyasakado.com/index.html

『春陽とわたし』
http://iyasakado.com/steel/harunohi.htm

何時もながら一見の価値ありです。
杉並区に集結する賛否両派。

中核派HP
http://www.zenshin.org/

2ちゃんねらの現場報告(BAK-NEWS)
http://baknews.exblog.jp/d2005-08-12

これを機に中核派HPの論文とか読んでみるのもオツかもしれません。

産経新聞より。
自治体最大 2100人使用
 東京都杉並区教委は十二日の臨時教育委員会で、区立中二十三校と区立済美養護学校中学部で来春から四年間使用する歴史教科書として、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の教科書を採択した。来年度の一年生約二千百人が使用し、自治体としては最大数となる。東京二十三区での採択は初めて。
 杉並区教委の採択審議は四日に行われたが、歴史の採択で意見がまとまらず、公民、地理、地図とともに継続審議になっていた。再審議では五人の教育委員のうち、納富善朗教育長、大蔵雄之助委員(東洋大教授、元TBS報道局長)、宮坂公夫委員(幼稚園園長)が扶桑社を支持、丸田頼一委員長(千葉大名誉教授)と安本ゆみ委員(元杉並区立小PTA連合協議会会長)が他社を推し、扶桑社に決まった。公民は大阪書籍が選ばれた。
 扶桑社の教科書は栃木県大田原市が市区町村で初めて採択。東京では都立の中高一貫四校、ろう・養護学校二十一校や私立の玉川学園中などが採択しているが、市区町村立中での採択はこれまでなかった。
 区役所には過激派の中核派が支援する「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並親の会」や共産党と友好関係にある「杉並の教育を考えるみんなの会」の活動家ら反対勢力のほか、扶桑社教科書を支持する人たちやインターネット掲示板「2ちゃんねる」の呼びかけで集まったグループなど計約千百五十人(警視庁調べ)が詰めかけ、騒然とした雰囲気の中で審議が行われた。
≪愛媛の採択仮差し止め却下 松山地裁「申し立て憤慨に過ぎぬ」≫
 松山地裁は十二日までに、中高一貫校など愛媛県立学校への中学校用教科書の採択から、扶桑社版歴史・公民教科書を排除するよう求めた市民活動家らの仮差し止め申し立てについて、「申立人らの歴史観、信念と異なる教科書を採用されることに対する憤慨に過ぎない」として却下した。愛媛県の一連の教科書裁判で司法判断が示されたのは初めてで、全国で作業が進む教科書採択にも影響を与えそうだ。
 県教委などを相手取り、教科書採択の無効確認訴訟などを起こしている「えひめ教科書裁判を支える会」のメンバーら県内の七人が、今月二日に「同教科書が公立学校で使用されれば、アジア地域の人々に耐え難い精神的苦痛を与える」と差し止めを求めていた。
 同申し立ての本訴に当たる扶桑社版教科書の採択からの排除を求める訴訟は、まだ期日が決まっていない。
(産経新聞) - 8月12日15時17分更新

ISBN:4125009090 新書 内田 響子 中央公論新社 2005/07/26 ¥945
結婚式の最中に消えた夫を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い僧を連れて城を飛び出した――封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚! 第一回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。
http://www.chuko.co.jp/new/2005/07/500909.html
主人公が負けん気が強く理性的なお姫様と言う点を除いてはごく正当なファンタジー小説。
華々しい見せ場や個性的なキャラクターは居ませんが良く纏まっていて名前も語られぬお姫様の物語にいつのまにか引き込まれていきます。何故彼女の夫は消えたのか。この謎は最後までひっぱられますがそのオチと共に訪れるラストも淡々としていて良い。
そして最後のエピローグでじーんとくる余韻を味わいました。
この本の真価はこのエピローグなのではないかな。ここで初めてタイトルの意味が(最初から予想はつくにしろ)しっかりと解ることになります。
読後にしみじみ読んでよかったなと思う一冊。
12月のベロニカと言い、ちょっと古い感じのするこういう正統派ファンタジーが実は大好きなんですね、自分。
ISBN:482916316X 文庫 田代 裕彦 富士見書房 2005/08/10 ¥651
二つの事件、二つの死体。この謎、どうなる河上くん!?
[ 内容 ]
親友に招かれ、大晦日のパーティに出席した河上くんと涼嬢は、会場で不可解な殺人事件に遭遇する。一方、親戚宅に出向いた骸惚先生を待ち受けていたのは死体。共通するのは首無し死体――!? 人気シリーズ完結編!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200506000188
内容もしっかりとしたミステリで、前回は押さえ気味だった涼さんも今回は絶好調。河上君との仲の進展が気になるところ…で相変わらず大変好みのこのシリーズなんですが…なんでシリーズおわっちゃうのよ、これで!
売り上げの問題での打ち切りなのか、はたまた後書きにも在る如くこの形態で続編を書き続けるのが難しくなったからなのか。シリーズ完結としては中途半端すぎの感がありありで、とにかく残念でなりません。続編を書く気も無いみたいだしなぁ。
もう少しこのシリーズが読みたかった。
次回作が『キリサキ』の続きになるのか新シリーズになるのかはまだ解りませんが正直『キリサキ』は微妙だったので頑張ってほしい所です。
小泉首相は靖国参拝を中止したわけですが。

参拝しても参拝しなくても叩くマスコミとその他の人たちに笑った。どうしたって気に入らんのならそう言えと。
『とある作家秘書の日常』さんより
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2005/08/post_67ce.html
アルスラーン戦記の新刊がついに脱稿したそうです。

第10巻は1999年12月1日に発刊されましたから5年8ヶ月。正式に発刊されるのはいつの日やら。
とにかく待つしかないですね。

それにしても地震が長く続いて驚いた。
 16日午前11時46分ごろ、東北地方で強い地震があり、宮城県川崎町で震度6弱を記録した。北海道から近畿にかけて震度5強から1を観測した。気象庁によると、震源地は宮城県沖で、震源の深さは約20キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.8と推定される。東北地方で震度6弱以上の地震を観測したのは、03年7月26日の宮城県北部の地震(M6.4)で震度6強を観測して以来という。(毎日新聞)

犬はどこだ ◎

2005年8月17日 読書
ISBN:4488017185 単行本(ソフトカバー) 米澤 穂信 東京創元社 2005/07/21 ¥1,680
何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。そこで調査事務所を開いた。この事務所〈紺屋S&R〉が想定している業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。――それなのに開業した途端舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして――いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵・紺屋長一郎、最初の事件。『さよなら妖精』で喝采を浴びた著者が新境地に挑んだ青春私立探偵小説!
http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?goods_id=3387
ライトノベルレーベルでデビューし、今やミステリ作家として確実な地歩を築きつつある米澤穂信氏の新作は学生を主人公にしていたこれまでの作品とは異なり25歳の探偵。開業の理由と舞い込む二つの事件、学生時代の後輩半ペーを加えて捜査が進むうちに見えてくる二つの事件の関連性。そして最後にはなんとも苦い結末が。田舎町のゆったりとした雰囲気を背景に、中盤までは謎を散りばめながらぐいぐいと読み進ませていき、終盤に一気呵成に結論を叩き出し、苦い余韻を残す。
ビターテイストな傑作ミステリに仕上がっています。
ラストの後味の悪さは同じ日常の謎派出身の若竹七海さんに通じるものを感じさせます。
読み終えてふと思ったのは主人公の年齢。読んでいる間はすっかり30代くらいのイメージでしたが改めてみると25歳なですね。
とにもかくにも読み応えのあるお奨めのミステリーです。

blogmap『犬はどこだ』
http://1470.net/bm/asininfo/4488017185
ISBN:4150308098 文庫 小川 一水 早川書房 2005/08/09 ¥756
ホット・ジュピター型巨大惑星に住む特異知性体がはるかな星に呼びかける――「老ヴォールの惑星」。
 わずかな水と食料しかない迷宮で織り成される、囚人たちの生死をかけた営み――「ギャルナフカの迷宮」。
 百五十光年離れた星を訪れた探検隊が体験する、奇妙に順調なコンタクトと、秘められた罠――「幸せになる箱庭」。
 八億平方キロの海を持つ惑星で、ただ一人生き抜いた男の生涯――書下ろし作品「漂った男」。
 四本を収録した作品集。
http://homepage1.nifty.com/issui/sakuhin1.htm#voool
久しぶりにじっくりSFを楽しんだなーと余韻たっぷりな小川一水初?短編集。
著者お得意?の囚人たちの閉鎖空間での社会構築ドラマ『ギャルナフカの迷宮』、異星人とのファーストコンタクトを扱いながら同時に箱庭空間の意義を鋭く問う『幸せになる箱庭』も秀逸だが全く新たな知性体を描きながらラストで余韻と感動を残す『老ヴォールの惑星』と理不尽な状況の中で一人生き続ける事を強いられた一人の男の生への一歩『漂った男』が悲劇では終わらない生への力強い一歩、未来への希望を残す小川一水らしい終わり方で素晴らしかった。長編も良いのだがこんな密度の高い良質な短編集を今後も書いていって欲しい物だ。ライトノベルメインの方には少し重いかもしれないが短編なだけに読みやすいしキレも良い。SF入門書としても良いのではないだろうか。
知名度もだいぶ上がり絶好調で作品を上梓し続ける作者の次回作を楽しみに待ちたい。

blogmap『老ヴォールの惑星』
http://1470.net/bm/asininfo/4150308098

魔術師の娘 ◎

2005年8月22日 読書
ISBN:4150203954 文庫 宇佐川 晶子 早川書房 2005/08/09 ¥882
アルダー神の弟子となった孤児は、やがて魔術師ベルガラスとして神の指示のもと光の“予言”を実現すべく力を尽くすようになった。
邪神トラクから“珠”を奪還するという重大な使命にも成功し、ベルガラスの名は世界に知られるようになる。
だが、最愛の妻ポレドラの死に打ちひしがれた彼は放浪の旅に出た。
神の与える使命も生後まもない娘たちも捨てて…。
ベルガラスと娘たちの心のつながりが描かれる波乱万丈の第2巻。http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-ISBN=4150203954
魔術師ベルガラスの第二巻です。現在新装版で復刊された『ベルガリアード物語』とその続きである『マロリオン物語』の前日譚ですが二つの物語が終わった後にベルガラスが一人称で述懐する形式ですので、両物語を読了してからの方がお奨めです。
第1巻では魔術師ベルガラスの誕生から珠をトラクから取り戻すための冒険譚、そしてポレドラとの結婚、娘の誕生と妻との死別まででした。第2巻では妻との死別からの立ち直り、二人の娘の成長と和解。そして数千年の経緯の中で、マラゴーの悲劇、ワキューン一族の滅亡、リヴァ王一族の暗殺と以前は歴史として語られていた物語が多少はしょり気味ではありますが次々と語られていきます。
このあたりは続刊予定のポルガラ編で詳しく語られるのかもしれません。今回の見所はベルガラスとポルガラと言う世にも特異な魔術師父娘の心の交流です。妻との死別に失意のあまり幼少期に全く放っておかれた聡い娘を最初は手に余らすものの次第に深い愛情と共に見つめていくベルガラス。特に娘の恋愛にやきもきする父親・ベルガラスの姿はいかにもヒューモラスで彼らしい。時に見せるその父娘の深い愛情表現にじわりと感動しながら共に歴史を追っていけます。
いよいよベルガリアード物語の主人公、ガリオンの登場も近くなってきした。最大のイベントであるトラクの西方侵攻とボー・ミンブルの戦い。そしてガリオンの両親の悲劇。大戦記あり、愁嘆場ありでますます目の離せない最終巻になりそうです。
ISBN:4061824406 新書 高田 崇史 講談社 2005/08/05 ¥840
牛王宝印(ごおうほういん)に秘められた八咫烏(やたがらす)の正体と熊野三山の謎を解く!
和歌山・熊野を舞台に、旅する「QED」第10弾!
和歌山県・紀伊半島に位置する、古来からの信仰深い土地“熊野”。浄不浄を嫌わず、黄泉の国との謂れもある熊野三山――熊野本宮(ほんぐう)大社・熊野速玉(はやたま)大社・熊野那智大社――の神々には意外な逸話が隠されていた……。伝承にまつわる一寸の「?(クエスチョン)」から歴史を辿る桑原崇(くわばらたかし)と棚旗奈々(たなはたなな)の旅路は、故郷を捨てた悲しい運命(さだめ)を生きる神山禮子(みわやまれいこ)と共に、熊野が孕む深遠な謎へと迫っていく!!
シリーズ買いしているQEDの10作目ですが今回の内容は…。一応ミステリ風味のラストですが熊野薀蓄旅行記と言う感じです。熊野言ってみたいなぁ。それだけの作品ですね(笑

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鴉

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