ヴぁんぷ!

2004年5月16日 読書
ISBN:4840226881 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2004/05 ¥641
成田良悟が描く“この世で最も吸血鬼らしくない吸血鬼”の物語
 【親愛なる日本の紳士淑女諸君! 月並な問い事で申し訳ないが――諸君は吸血鬼の存在を信じるかね?】【――失敬、名乗るのが遅れたようだ。我が名はゲルハルト・フォン・バルシュタイン! このグローワース島を預かる、子爵の称号を賜りし吸血鬼! 自己紹介代わりに、我が島で起こった一つの騒動について話をしようではないか! ……まあ語らせてくれたまえ。暇なのだ】【君が私の話を信じるも信じぬも、私が人にあらざる存在という事は一目瞭然であろう? 何しろ私は――】
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/
編集部の煽り通り。吸血鬼を題材にしたライトノベルは数ありますが見事に成田風に料理。むしろ成田作品にしては今回はキャラが抑え目かなと言う感もあります。後書きを読むと解るんですが、このヴぁんぷ!の主人公って実は《子爵》だったんですね(笑)。いや、そんな主人公が解らない程に、いつもの如く、何人かのキャラに視線がザッピングしながら最後は大集結の大団円を迎えます。
今回は少しストーリーがばらけすぎかな。あまりにも焦点があってないような気がします。なんか端役の筈のカルギラも妙に最後まで存在をひっぱるし。要は誰も○○なかったって事に拘っているんでしょうけれど。もう少し絞っても面白かったのでは。
後、いま少し悪役のヴォッドのキャラが出せてなかったような気がします。成田作品の悪役の中ではインパクトが無い。まあラストはしっかり締めましたが(笑)。これも小物ゆえなんでしょうか。
キャラとしてはまずは主人公《子爵》に一本。そして《木島閑音》に一本。この人の書くヒネたヒロインは好きだわ。
《子爵》の子供達が地味だったけれど、あくまで《子爵》が主人公ならそれも解りますね(笑)。
評価としては微妙な所。成田作品のファンならモンクなく面白いとは思いますがそれでも今一歩だった感があります。これは次作に期待かな。
鴉

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