ISBN:4044293023 文庫 高瀬 彼方 角川書店 2004/04/28 ¥680
―それでも、ここで生きようと思った。完全隔離化の戦場「北関東隔離戦区」での、“僕たちの戦争”を描く物語―第2弾登場!
「北関東隔離戦区」―それは、異形の怪物“憑魔”に寄生されたがゆえ、完全隔離下で戦うことを宿命づけられた少年少女たちの戦場。その地獄のなかでも、特に忌まわしき記憶として語られる自衛隊員200名の命を奪った“朝霞事件”が再び起きようとしていた! それを防げるのは、現場へ向かった英次や宮沢の「イコマ小隊」だけ。だがその前に強大な力を持つ赤き憑魔が立ちふさがる!鬼才の放つ切なき戦場の物語、第2弾登場!
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200203000747
一般社会から隔離された戦場に、自らの責任ではなく運命のいたずらによって放り込まれ、戻る事も許されず、勝利する事も敗北する事も許されず、ただひたすらに戦い続ける事を義務付けられた少年少女達。ヘビーだ。ヘビーすぎる。そんな極限状態の中で、それでも日々を生き、過ごしていかねばならない彼等の話が丁寧に緊迫感を持って書かれている良作。
まあ全編重い話でも無く。極限下での指揮維持の関係上、小隊は男女3人づつが基本単位らしく、舞台となるイコマ小隊でも当然の如く前半は隊内の恋話がメイン。しかし中盤からは一転、惨劇の中でのサバイバルな展開。宮沢の意外な活躍、外の世界からやってきた広報班の士官との確執、イチルと英次の微妙な関係、様々なストーリーがからまりつつ、最後まで息をつかせぬまま駆け抜けてくれます。あまりにヘビー。でも読める。これだけでも中々の存在だと思います。お奨め。
鴉

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