スラムオンライン ○
2005年6月29日 読書
ISBN:4150308004 文庫 toi8 早川書房 2005/06/09 ¥630
オンラインゲームを素材にした作品としては良く出来ていて格闘ゲーをやった事のある人、オンラインゲームをやった事がある人は、その描写の細かさや主人公の心理に上手く溶け込めていくでしょう。但しそれ以外の人には難しいテーマなのも確か。
空虚なゲーム世界と現実との狭間で、自らのアイデンティティを探す主人公の葛藤。そして最後のそれでも日々は続いていく、と言う終わり方。
この小説になんらかの教訓や意味を探そうという行為はあまり重要では無く良く出来た物語を余韻を含めて楽しむと言う、上質の娯楽作品として置くだけで良いのではないでしょうか。
ハードボイルドを思わせるストイックな主人公と、読後の余韻はこの作者さんの持ち味なのでしょうね。
Aボタンをクリック。『よくわかる現代魔法』シリーズで少しずつ認知度を高め、昨年末の『All you need is kill』で一躍実力を認められた感のある桜坂洋がSFの本家ハヤカワJAから出したのがこれ。
ぼくはテツオになる―現実への違和感を抱えた大学1年の坂上悦郎は、オンライン対戦格闘ゲーム“バーサス・タウン”のカラテ使い・テツオとして、最強の格闘家をめざしていた。
大学で知りあった布美子との仲は進展せず、無敵と噂される辻斬りジャックの探索に明け暮れる日々。
リアルとバーチャルの狭間で揺れる悦郎は、ついに最強の敵と対峙するが…。
新鋭が描くポリゴンとテクスチャの青春小説。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-ISBN=4150308004
オンラインゲームを素材にした作品としては良く出来ていて格闘ゲーをやった事のある人、オンラインゲームをやった事がある人は、その描写の細かさや主人公の心理に上手く溶け込めていくでしょう。但しそれ以外の人には難しいテーマなのも確か。
空虚なゲーム世界と現実との狭間で、自らのアイデンティティを探す主人公の葛藤。そして最後のそれでも日々は続いていく、と言う終わり方。
この小説になんらかの教訓や意味を探そうという行為はあまり重要では無く良く出来た物語を余韻を含めて楽しむと言う、上質の娯楽作品として置くだけで良いのではないでしょうか。
ハードボイルドを思わせるストイックな主人公と、読後の余韻はこの作者さんの持ち味なのでしょうね。