つづくオン・マイ・オウン
2004年10月21日 読書
ISBN:4829116595 文庫 賀東 招二 富士見書房 2004/10 ¥546
ついつい、台風で早く帰った夜に『フルメタルパニック?ふもっふ』を再鑑賞。ほのぼのー。いやいや、名作だね、このシリーズ。
本シリーズもハッピィエンドを期待したいものです。
陣代高校では、新生徒会発足のための選挙戦が行われていた。それは林水の卒業を意味した。一抹の寂しさを抱えるかなめ。そんな彼女をレナードはアマルガムへとを誘う。平穏な日常は崩壊へと一歩一歩近づいていく。ついに物語は最終展開へ、と言う感じでシリアスパートに突入したフルメタルパニック。何時までも続くと思われた平和はやはり続かない訳で切なくも有り納得でも有り。一気に窮地へと追い込まれた宗介とミスリル。血塗られた道に出口はあるのかって感じでひっぱる訳で、まるでマリみての『レイニー止め』の様相。
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200406000120
ついつい、台風で早く帰った夜に『フルメタルパニック?ふもっふ』を再鑑賞。ほのぼのー。いやいや、名作だね、このシリーズ。
本シリーズもハッピィエンドを期待したいものです。
天槍の下のバシレイス (1)
2004年10月18日 読書
ISBN:4840228396 文庫 伊都 工平 メディアワークス 2004/10 ¥641
但し、キャラクターのポイント付けはしっかりしていて『またこの設定か・・・』と言う飽きを払拭させるだけの一作には仕上がっています。主人公の川中島敦樹は女性ながら挿入のイラストの効果も相まって『フルメタルパニック』の相良宗介のシリアス版を思わせるような味のあるキャラで好み。
上下巻と言うことで前半にちらほら見える伏線がどう結束していくのか含めて楽しみな一冊です。
世界中に突如出現した『塔』と巨大生物群。タイトルと表紙をちらっと見でファンタジーかな、と思ったら近未来モノでした。作者は第61魔法分隊シリーズでコアなファンの居る伊都工平。舞台設定はガンパレードマーチや角川スニーカーのディバイデットフロントシリーズhttp://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200302000371と似たような感じです。
その存在により日本は広大な無人地域を挟み、東西に分断されていた。
2018年、東日本にいた十五歳の川中島敦樹は、軍の観測隊に選抜され『塔』を目指す。
しかし率いた隊は『当初の予定通り』全滅。
敦樹だけが西日本東部辺境である南兵庫へと逃れた。
1960年代まで市民の生活水準が後退したその土地で、敦樹は学校に通いながら防災団の一員として活動を始める。
同級生でもある仲間たちと、やがて人類再起へ向けた戦いの一翼を担うために―。
『電撃hp』誌上に掲載された「まれびとの棺」前半に、書き下ろし二編を加え、新シリーズ、いよいよスタート。(紀伊国屋書店Webより)
http://www.jbook.co.jp/product.asp?product=2502473
但し、キャラクターのポイント付けはしっかりしていて『またこの設定か・・・』と言う飽きを払拭させるだけの一作には仕上がっています。主人公の川中島敦樹は女性ながら挿入のイラストの効果も相まって『フルメタルパニック』の相良宗介のシリアス版を思わせるような味のあるキャラで好み。
上下巻と言うことで前半にちらほら見える伏線がどう結束していくのか含めて楽しみな一冊です。
ISBN:4488017037 単行本 米沢 穂信 東京創元社 2004/02 ¥1,575
米澤穂信と言う作家はこの、余韻を残す物語を紡ぐのが上手い作家です。若き日の漠然とした焦燥、遠き地から来た少女への憧憬、そして厳然と佇む現実。青春の全ての思いがここにあり、主人公の少年への感情移入を深めていきます。
文中にすらりと入る謎解きもいかにも米澤さんらしく、ともすればだれてしまいそうな二ヶ月間の日常の描写に印象的なスパイスを与えてくれます。そして最後の謎を巡る主人公と彼の友人達の心の動き、そして結末。それは現実と同じくけして割り切れるものでも、納得出来るものでもありません。それが残す余韻を味わいながら、静かにこの本を閉じるとき、深い溜息が漏れ出しました。
佳作なのが残念なこの作家。最新作も近いとの事で期待と共に時を待つ事にします。
ミステリ風味ですがミステリ好きに関わらず読んで欲しい作品です。
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。読後に余韻を感じさせる小説と言う物は押並べて名作が多い。
著者HP:http://www.rd.mmtr.or.jp/~mize/pandreamium/
米澤穂信と言う作家はこの、余韻を残す物語を紡ぐのが上手い作家です。若き日の漠然とした焦燥、遠き地から来た少女への憧憬、そして厳然と佇む現実。青春の全ての思いがここにあり、主人公の少年への感情移入を深めていきます。
文中にすらりと入る謎解きもいかにも米澤さんらしく、ともすればだれてしまいそうな二ヶ月間の日常の描写に印象的なスパイスを与えてくれます。そして最後の謎を巡る主人公と彼の友人達の心の動き、そして結末。それは現実と同じくけして割り切れるものでも、納得出来るものでもありません。それが残す余韻を味わいながら、静かにこの本を閉じるとき、深い溜息が漏れ出しました。
佳作なのが残念なこの作家。最新作も近いとの事で期待と共に時を待つ事にします。
ミステリ風味ですがミステリ好きに関わらず読んで欲しい作品です。
ISBN:406274838X 文庫 高野 和明 講談社 2004/08 ¥680
2001年の乱歩賞受賞作品の文庫化。
殺人と死刑。人を殺した者は法の手によって殺されるべきなのか。死刑の執行にはどんな判断があるのか。加害者にとって、被害者にとって、遺族にとって、それはどんな意味を持つのか。
現在の死刑制度を巡る意義や矛盾点、殺した側・殺された側それぞれの立場を鋭く抉っているのもさる事ながら、そんな事を気にせずに勢いづいて読むサスペンスミステリとしても上物。最後まで気を抜かせずに読ませてくれるエンタテイメントです。ちなみに2003年2月に映画化されたらしいですがあんまり評判は良くないみたいですね。帯がいかにも読めって感じでちょっと引きましたがしっかり読めて面白かったです。
宮部みゆき氏絶賛!!!
手強い商売仇を送り出してしまったものです。――(本書解説より)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=274838X
2001年の乱歩賞受賞作品の文庫化。
殺人と死刑。人を殺した者は法の手によって殺されるべきなのか。死刑の執行にはどんな判断があるのか。加害者にとって、被害者にとって、遺族にとって、それはどんな意味を持つのか。
現在の死刑制度を巡る意義や矛盾点、殺した側・殺された側それぞれの立場を鋭く抉っているのもさる事ながら、そんな事を気にせずに勢いづいて読むサスペンスミステリとしても上物。最後まで気を抜かせずに読ませてくれるエンタテイメントです。ちなみに2003年2月に映画化されたらしいですがあんまり評判は良くないみたいですね。帯がいかにも読めって感じでちょっと引きましたがしっかり読めて面白かったです。
ROOM NO.1301 #3
2004年9月14日 読書
ISBN:4829162686 文庫 新井 輝 富士見書房 2004/09 ¥651
・・・いや、それ以外何を書けと。主人公が八方美人なのもモテモテなのも流されやすいのも完全に18禁恋愛シミュレーションゲームのノベル版。何も考えずに楽しんで読んだ方が勝ちってやつですね。多分。
大好評! ちょっとエッチな学園ラブコメ第三弾!断然ホタルルート希望。それだけ。
健一は同級生千夜子とプラトニックな関係を続けながら、セックス依存症の高校生・冴子と同居生活を続けている。そして訪れた夏休み、千夜子+姉の蛍子と海に行くことになる。だが、行く先々で騒動が巻き起こり!? 相変わらず人間関係はこじれ気味だった――。恋って難しいもの? 恋ってしようと思ってするもの? 女の子とつきあうってどういうこと? そんな素朴な疑問を感じている健一くんが、真実の愛を求める物語がまたまた登場です!!
http://www.kadokawa.co.jp/fujimi/mystery/search.php?pcd=200406000011
・・・いや、それ以外何を書けと。主人公が八方美人なのもモテモテなのも流されやすいのも完全に18禁恋愛シミュレーションゲームのノベル版。何も考えずに楽しんで読んだ方が勝ちってやつですね。多分。
バッカーノ!1933 上―THE SLASH~クモリノチアメ (1)
2004年9月9日 読書
ISBN:484022787X 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2004/09 ¥599
久しぶりにアイザック&ミリアがたっぷり登場。そして今までのヒロインも大集結の豪華版。今回の主人公はチックとマリア・・・の筈なんですが当たり前のように、様々な登場人物が入り乱れては一箇所に集まり派手に暴れだします。
このクセのあるメンバーの中で、ヒーローヒロインは無事結ばれるのか(いや結ばれなくても良いんですが)。
テンションを高くして次巻待ちと言う一作です。って続編は何時ですか!?
成田ファンでない方、またシリーズを読んでない方はお奨めできません。多分読んでも何が何だかさっぱりわからないと思います。
是非シリーズ全冊読んでください。お願いします。
刃物使い達の死闘(バッカーノ!)が、雨を呼ぶ──さて、いよいよバッカーノ本編の続編登場。例によって上巻ですのでいつもの騒ぎもまだまだ始まったばかりですが。
鋏使いのチックは無邪気に人を斬る。見えない“絆”がどれだけ傷みに耐えられるかを確かめる為に。
刀使いのマリアは陽気に人を斬る。この世に斬れないものなど無い事を信じる為に。
槍使いのアデルは慇懃無礼に人を斬る。ただ存分に暴れたいが為に。
ナイフ使いのシャーネは無言で人を斬る。自分の仲間を傷つける者を排除する為に。
刃物使い達の死闘は雨を呼ぶ。それは、嵐への予兆──。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/new/next.php#8
久しぶりにアイザック&ミリアがたっぷり登場。そして今までのヒロインも大集結の豪華版。今回の主人公はチックとマリア・・・の筈なんですが当たり前のように、様々な登場人物が入り乱れては一箇所に集まり派手に暴れだします。
このクセのあるメンバーの中で、ヒーローヒロインは無事結ばれるのか(いや結ばれなくても良いんですが)。
テンションを高くして次巻待ちと言う一作です。って続編は何時ですか!?
成田ファンでない方、またシリーズを読んでない方はお奨めできません。多分読んでも何が何だかさっぱりわからないと思います。
是非シリーズ全冊読んでください。お願いします。
ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8
2004年9月1日 読書
ISBN:4101181586 文庫 塩野 七生 新潮社 2004/08/30 ¥420
一年前にIII巻までを七分冊して文庫化されたローマ人の物語ですが、ようやく第二期としてIV巻からが文庫化されました。今年度はVI巻までが文庫化される事になります。ゴールは12巻ですのでまだまだ長い旅になりそうです。
筆者はこのIV巻と次のV巻の半ばをユリウス・カエサルの事蹟で覆います。しかし、カエサルがそれだけのページを費やすに足る人物であった事もまた確かです。
それぞれ個々の業績では彼に比肩する者も在ったかもしれません。しかし政治、軍事、文筆、その全てに渡って抜きん出た業績を残し、「ローマが生んだ唯一の創造的天才」と称えられた彼はまさしくヨーロッパの歴史上に燦然と輝く英雄だったと言って過言では無いでしょう。
IV巻はそのカエサルが名も知られぬ時代から、一躍三頭政治の支柱となり、ガリアへの8年間に渡る遠征を成功裏に収めるまでの物語が書かれます。
実は学生時代に彼の著したガリア戦記を途中でほっぽりだした経験があるのですが、もう一度じっくり読んでみたくなりました。
このローマ人の物語に限らず、現代に於いて西洋史を解りやすく、そして読みやすく書く名人と思える塩野七生さん。
これからも長く執筆活動を続けて戴きたいものです。
一年前にIII巻までを七分冊して文庫化されたローマ人の物語ですが、ようやく第二期としてIV巻からが文庫化されました。今年度はVI巻までが文庫化される事になります。ゴールは12巻ですのでまだまだ長い旅になりそうです。
筆者はこのIV巻と次のV巻の半ばをユリウス・カエサルの事蹟で覆います。しかし、カエサルがそれだけのページを費やすに足る人物であった事もまた確かです。
それぞれ個々の業績では彼に比肩する者も在ったかもしれません。しかし政治、軍事、文筆、その全てに渡って抜きん出た業績を残し、「ローマが生んだ唯一の創造的天才」と称えられた彼はまさしくヨーロッパの歴史上に燦然と輝く英雄だったと言って過言では無いでしょう。
IV巻はそのカエサルが名も知られぬ時代から、一躍三頭政治の支柱となり、ガリアへの8年間に渡る遠征を成功裏に収めるまでの物語が書かれます。
実は学生時代に彼の著したガリア戦記を途中でほっぽりだした経験があるのですが、もう一度じっくり読んでみたくなりました。
このローマ人の物語に限らず、現代に於いて西洋史を解りやすく、そして読みやすく書く名人と思える塩野七生さん。
これからも長く執筆活動を続けて戴きたいものです。
吉永さん家のガーゴイル 4 (4)
2004年8月24日 読書
ISBN:4757719671 文庫 田口 仙年堂 エンターブレイン 2004/08 ¥672
イヨと東宮との関係、ガーゴイル誕生の秘話と言うシリーズの謎が今明かされます。内容としてはドタバタタッチの青春恋愛コメディ風味ガーゴイル添えと言った感じ。このシリーズの良さはストーリーのテンポの良さと、キャラクターがしっかり書けていると言う所。
ガーゴイルの生まれた経緯やイヨを巡る三角関係とか、定番とも思えるストーリーをしっかり書けて退屈させないところが上手いんだなぁと思います。何も考えずに楽しめる一作。四巻目もお奨めです。
愛と青春のガーくん誕生編登場!!ほのぼの町内ファンタジー?吉永さん家のガーゴイルの四巻は来ましたタイムトラベルネタ。とは言っても本当に時間を遡るのではなく、記憶の中の過去の時代へ飛ぶと言うもの。
目覚めると、落下していた!? 和己は、謎のアイテム「記憶発掘装置」で3日間も眠ったまんま、そろそろ起きないと死んじゃいそうなイヨを起こすことに。装置を使い、ガーくん・双葉と彼女の意識内に潜り込むが、気づくとそこは昭和2年の日本!? 着くなり、一同は錬金術師の東宮によく似た青年に出会って驚き、その親友というフンドシ一丁の男に面食らう。更に彼らの仕事部屋にはガーゴイルと瓜二つの石像が――これ一体どういうこと!?
えんため大賞受賞作から生まれた人気シリーズ第4弾。
http://www.enterbrain.co.jp/fb/newbook/053/02/index.html
イヨと東宮との関係、ガーゴイル誕生の秘話と言うシリーズの謎が今明かされます。内容としてはドタバタタッチの青春恋愛コメディ風味ガーゴイル添えと言った感じ。このシリーズの良さはストーリーのテンポの良さと、キャラクターがしっかり書けていると言う所。
ガーゴイルの生まれた経緯やイヨを巡る三角関係とか、定番とも思えるストーリーをしっかり書けて退屈させないところが上手いんだなぁと思います。何も考えずに楽しめる一作。四巻目もお奨めです。
空ノ鐘の響く惑星で〈4〉
2004年8月23日 読書
ISBN:4840227586 文庫 渡瀬 草一郎 メディアワークス 2004/08 ¥599
なんとなく雰囲気も設定もデルフィニア戦記に似ているような気がするのも気になるところですが、昨今こう言った本格戦記モノが少ない事もあって続刊も買う気です。
内戦からいよいよ外征へ?そして教会の内部抗争の行方は?てな感じでまだまだ続きます。
王位をめぐり渦巻く陰謀。異世界SFファンタジー第4弾!戦記モノとしてはそこそこ読めるのですが、あららあっさりと決着がついてしまって少し拍子抜け。まあ本題はここからと言う事になるんでしょうが。
アルセイフをタートムに売り渡そうとする第2王子レージク。
国を滅ぼそうとする新たな王に反旗を翻した第4王子フェリオ達は、新たな仲間を迎え直接対決に向け戦力を蓄えていた。
そんな中、ウィータ神殿の意向を知らされたウルクは、自分の夢と想いの間で揺れ動く。
そして、ついに始まったレージクとフェリオの王位争奪戦の行方は!?
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_index.php?isbn=4-8402-2758-6
なんとなく雰囲気も設定もデルフィニア戦記に似ているような気がするのも気になるところですが、昨今こう言った本格戦記モノが少ない事もあって続刊も買う気です。
内戦からいよいよ外征へ?そして教会の内部抗争の行方は?てな感じでまだまだ続きます。
描きかけのラブレター
2004年8月20日 読書
ISBN:4829162651 文庫 ヤマグチ ノボル 富士見書房 2004/08 ¥588
どこがミステリなのと言うお約束のツッコミは良い加減にしておいて・・・。淡々とした落ち着いた筆致が爽やかな直球の青春恋愛小説です。ほんとーにそれだけ。1時間半くらいで読了したくらいですのでまさにお手軽に読めます。素直に慣れない捻くれ気味のヒロインと鈍感で人の良い主人公は王道パターン。ただ、嫌味は無くだれる事もなく一気に読み進められる地味な良作。
たまにはこう言う小説が読みたくなります。そんな感じ。
頑固な少年と素直になれない少女の純愛ストーリー
気持ちを他人に伝えることは、とても難しい。だから恋愛は大変なのです。遠藤ユキオは卒業も間近のある日、親友の巧から神木円のことが好きだと告白された。巧に請われるまま彼が円に渡す〈円の絵〉を描くことになったユキオ。高校三年間、ユキオはことあるごとに円に振り回された。しかしカンバスに筆を走らせるうち、ユキオはある事実に気づく。自分は円を好きだったのだ──と。不器用な二人の、甘くせつなく、そして優しいピュア・ラブストーリー!
http://www.kadokawa.co.jp/fujimi/mystery/search.php?pcd=200405000183
どこがミステリなのと言うお約束のツッコミは良い加減にしておいて・・・。淡々とした落ち着いた筆致が爽やかな直球の青春恋愛小説です。ほんとーにそれだけ。1時間半くらいで読了したくらいですのでまさにお手軽に読めます。素直に慣れない捻くれ気味のヒロインと鈍感で人の良い主人公は王道パターン。ただ、嫌味は無くだれる事もなく一気に読み進められる地味な良作。
たまにはこう言う小説が読みたくなります。そんな感じ。
ISBN:4150307660 文庫 小川 一水 早川書房 2004/08/06 ¥756
いきつく暇も与えずに一気に読ませる迫力と説得力に溢れた筆致はさすがとしか言いようがありません。
小川一水、問題はここからです。後一冊でどう決着をつけるのか。過去『導きの星』『第六大陸』でも物議を醸したエンディング。今回もしっかりと着陸する事が出来るのか。
全てあわせて最終巻が見逃せない力作です。
行方不明のレンカ高皇に代わって摂政の位に就いたスミルは、一官僚にすぎないセイオを帝国復興院の総裁に任命した。遠大なる帝都再生計画を掲げるセイオであったが、その強引なまでの政策は、サイテン首相率いる政府のみならず、救うべき市民たちの反感をも招いてしまう。小川一水の国家災害SF三部作の第二段。未曾有の大災害に国としての枠組みまでがゆらぐレンカで、民はそれでも生きようとし、為政者は復興の裏で策謀を巡らす。そして民族の対立、列強の思惑・・・。一冊の中にこれでもかとばかりに様々な思惑を絡ませ、その中でさらに成長するセイオとスミル。そして二人の関係も・・・。一方で原因となった大地震の秘密も徐々に明らかに。
復興院解体の危機が迫る中、ダイノン連邦権統国、サランガナン専領国などの星外列強が、混乱する帝国に干渉の手を伸ばそうとしていた……未曾有の国家再生ドラマ、第2巻。
『小川遊水池』よりhttp://homepage1.nifty.com/issui/sakuhin1.htm#renka
いきつく暇も与えずに一気に読ませる迫力と説得力に溢れた筆致はさすがとしか言いようがありません。
小川一水、問題はここからです。後一冊でどう決着をつけるのか。過去『導きの星』『第六大陸』でも物議を醸したエンディング。今回もしっかりと着陸する事が出来るのか。
全てあわせて最終巻が見逃せない力作です。
銃姫〈2〉The Lead In My Heart
2004年8月10日 読書
ISBN:484011126X 文庫 高殿 円 メディアファクトリー 2004/07 ¥609
でも新たなキャラが出てきたり国際情勢がきな臭くなってきたりでいよいよストーリーは膨らんでいく感じ。セドリックも今回は魔法が使えなくなると言う挫折を経験して滅法強いばかりの主人公と言うパターンをしっかりと脱却。展開としては良い感じなんじゃないでしょうか。新キャラのバロット&ギースも中々良い味を出しており、今後の展開がますます楽しみになってきました。
久しぶりに続編の気になるシリーズ物になったかなと言う感じです。
強大な力を秘め、世界の命運を分けるとも言われる「銃姫」。その行方を追い求め、旅を続ける三人がいた。「魔銃士」の少年セドリックとその姉、エルウィング、そしてテロリストの少女、アンブローシアである。北の山間の田舎町に滞在中、セドリックはある事件をきっかけに自分の「力」に自信が持てなくなってしまう。魔法強化のため、大都市の「王立魔法図書館」へと向かうセドリック。そこで出会った露天商の男から、意外な話を聞くことになるが……!?と言う訳で銃姫は表紙の女性じゃないので気をつけて。セドリックを巡る三角関係勃発か?と思いきや真面目な話に入ってしまったので少々がっかり。
http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/bunkoj_detail.cgi?id=1637
でも新たなキャラが出てきたり国際情勢がきな臭くなってきたりでいよいよストーリーは膨らんでいく感じ。セドリックも今回は魔法が使えなくなると言う挫折を経験して滅法強いばかりの主人公と言うパターンをしっかりと脱却。展開としては良い感じなんじゃないでしょうか。新キャラのバロット&ギースも中々良い味を出しており、今後の展開がますます楽しみになってきました。
久しぶりに続編の気になるシリーズ物になったかなと言う感じです。
ごーさんとこで振られたので今月の購読・予定一覧。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~go-as/main.htm
★角川スニーカー文庫
『涼宮ハルヒの消失』 谷川流
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200403000353
『されど罪人は竜と踊るV そして、 楽園はあまりに永く』 浅井ラボ
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200311000184
★電撃文庫
http://www.mediaworks.co.jp/topics/040805_bunko0408/index.php
『9S〈ナインエス〉IV』 葉山透
『空ノ鐘の響く惑星(ほし)で4』 渡瀬草一郎
後は結界師のフーガをまとめて買おうか検討中。
★ファミ通文庫
『吉永さん家のガーゴイル4』 田口仙年堂
http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_catalog/book/2004/4-7577-1967-1.html
★ハヤカワ文庫JA
『復活の地 II』 小川一水
http://homepage1.nifty.com/issui/
★MF文庫J
『神様家族5 恋愛体操』 桑島由一
http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/bunkoj_detail.cgi?id=1638
後は評判を見て新人発掘。って復活の地が出るの忘れてた・・・買わないと。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~go-as/main.htm
★角川スニーカー文庫
『涼宮ハルヒの消失』 谷川流
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200403000353
『されど罪人は竜と踊るV そして、 楽園はあまりに永く』 浅井ラボ
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200311000184
★電撃文庫
http://www.mediaworks.co.jp/topics/040805_bunko0408/index.php
『9S〈ナインエス〉IV』 葉山透
『空ノ鐘の響く惑星(ほし)で4』 渡瀬草一郎
後は結界師のフーガをまとめて買おうか検討中。
★ファミ通文庫
『吉永さん家のガーゴイル4』 田口仙年堂
http://www.enterbrain.co.jp/jp/p_catalog/book/2004/4-7577-1967-1.html
★ハヤカワ文庫JA
『復活の地 II』 小川一水
http://homepage1.nifty.com/issui/
★MF文庫J
『神様家族5 恋愛体操』 桑島由一
http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/bunkoj_detail.cgi?id=1638
後は評判を見て新人発掘。って復活の地が出るの忘れてた・・・買わないと。
ISBN:4044292043 文庫 谷川 流 角川書店 2004/07 ¥540
まあ今回はあれです。ノーマルバージョンの長門さんがかわええって事だけ。
クリスマス目前の、あの日の朝、何かがおかしい感じがしたんだ。いつもの教室、いつもの席。だけど俺の後ろの席にハルヒはいなかった――。ビミョーに非日常系学園ストーリー、衝撃の第4巻! キョンの苦難は続く!!谷川流の大当たりシリーズ第四弾。なにやら三巻と同じようなストーリー展開ですが・・・まあ主人公キョンの意思決定に重要だった巻と言う事で、第五巻を待ちたいような気分。
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200403000353
まあ今回はあれです。ノーマルバージョンの長門さんがかわええって事だけ。
ISBN:4167679167 文庫 若竹 七海 文芸春秋 2004/07 ¥760
探偵と言ってもいかにもミステリ小説的なあの『探偵』ではなく、普通の日本の探偵業。しかも雇われである。
どうも読んでいて息苦しいのはこれでもかとばかりにイヤな人間ばかりが出てくる所だが、逆に言えば人間誰しも多かれ少なかれ何処かにバランスに欠けた部分を持っている訳で、それを極端にした形で抉り出す所が若竹七海の人間を書くと言う事なのかもしれない。
理不尽な人々の自分勝手な要求に振り回されながら、一度関わった事件に知らん振りも出来ず深く足を踏み込んでしまう葉村。
読んでいると依頼人や葉村に関わる人々の我侭さ加減にイヤになるのだが、逆に考えてみればいくら自分から頼み込んだ事とは言え探偵に私生活を覗かれ、矛盾を追及され、なんとか形を保っていたものを破壊されるその様は反発するに足るモノなのかも知れない。
結局大して救われない解決と共に、また日常が戻ってくる。そのあえて余韻を残さない潔さが非常に好ましいのは贔屓の引き倒しであろうか。
女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事で怪我を負う。一ヶ月後、行方不明のミチルの友人・美和探しを依頼される。調査を進めると、他にも姿を消した少女がいた。彼女たちはどこに消えたのか? 真相を追う晶は、何者かに監禁される。飢餓と暗闇が晶を追いつめる……好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!先日読んだ『依頼人は死んだ』に登場する女探偵葉村晶を主人公にした長編。
(文芸春秋書誌ファイルより引用)
探偵と言ってもいかにもミステリ小説的なあの『探偵』ではなく、普通の日本の探偵業。しかも雇われである。
どうも読んでいて息苦しいのはこれでもかとばかりにイヤな人間ばかりが出てくる所だが、逆に言えば人間誰しも多かれ少なかれ何処かにバランスに欠けた部分を持っている訳で、それを極端にした形で抉り出す所が若竹七海の人間を書くと言う事なのかもしれない。
理不尽な人々の自分勝手な要求に振り回されながら、一度関わった事件に知らん振りも出来ず深く足を踏み込んでしまう葉村。
読んでいると依頼人や葉村に関わる人々の我侭さ加減にイヤになるのだが、逆に考えてみればいくら自分から頼み込んだ事とは言え探偵に私生活を覗かれ、矛盾を追及され、なんとか形を保っていたものを破壊されるその様は反発するに足るモノなのかも知れない。
結局大して救われない解決と共に、また日常が戻ってくる。そのあえて余韻を残さない潔さが非常に好ましいのは贔屓の引き倒しであろうか。
ISBN:4167656671 文庫 若竹 七海 文芸春秋 2003/06 ¥650
主人公の葉村晶はきっぱりとしたおよそ女性らしくない性格。女性版ハードボイルド探偵と言う感じで好感が持てる。相変わらず読みやすい文体でさくさくと読めるのだが、物語の構成や内容に妥協は無い。
全編に渡って自殺か事故か他殺か、と言う事件を扱い、すっきりと終わる話は無い。全編の底辺に流れる切なく暗い感情、そしてある存在の影。なるほど説明で『少しこわい』と言う言葉が出てくるのが良く解る。自殺と言う事象自体全てが割り切れるものではない。外的要因も内的要因も、全てが渾然と絡まりあった結果だ。
そんな割り切れない気持ち悪さ、がまた面白い。そしてそんな中で、葉村晶の手加減のなさ、そして迷いはあるがそれでも突き進むその性格が救いとなる。
取合えず大ヒットもないが外れも無い、そんな若竹七海がやっぱり好きなのである。
内容(「BOOK」データベースより):『ぼくのミステリな日常』で北村薫に代表される『日常の謎』的作風のミステリ作家としてデビューした若竹七海は私のお気に入りの作家。シリーズ続編となった『悪いうさぎ』が最近文庫で出たのでセットで購入した。
念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのり。健診を受けていないのに送られてきたガンの通知に当惑する佐藤まどか。決して手加減をしない女探偵・葉村晶に持つこまれる様々な事件の真相は、少し切なく、少しこわい。構成の妙、トリッキーなエンディングが鮮やかな連作短篇集。
Amazon.comより引用。
主人公の葉村晶はきっぱりとしたおよそ女性らしくない性格。女性版ハードボイルド探偵と言う感じで好感が持てる。相変わらず読みやすい文体でさくさくと読めるのだが、物語の構成や内容に妥協は無い。
全編に渡って自殺か事故か他殺か、と言う事件を扱い、すっきりと終わる話は無い。全編の底辺に流れる切なく暗い感情、そしてある存在の影。なるほど説明で『少しこわい』と言う言葉が出てくるのが良く解る。自殺と言う事象自体全てが割り切れるものではない。外的要因も内的要因も、全てが渾然と絡まりあった結果だ。
そんな割り切れない気持ち悪さ、がまた面白い。そしてそんな中で、葉村晶の手加減のなさ、そして迷いはあるがそれでも突き進むその性格が救いとなる。
取合えず大ヒットもないが外れも無い、そんな若竹七海がやっぱり好きなのである。
ROOM NO.1301―おとなりさんはアーティスティック!?
2004年7月23日 読書
ISBN:4829162244 文庫 新井 輝 富士見書房 2003/09 ¥567
そしていきなり主人公があったばかりの女性と××××ですよ奥さん。しかもその次は実の姉とですよ!エロゲの原作ですか!?いやまんまそうなんですけど。絶対このストーリーでエロゲ作れます。売れるかどうかわからんけれど。
しかも続きですよ。予定だと四巻までは確実に出るんですよ。
いや、新井輝の文章とかキャラ描写とか好きなんですけどね。
まあ新境地と言うかなんと言うか。続刊買うとは思いますけどね。
ほのかに哀しく、せつないセンチメンタル・ミステリーいきなり突っ込んで良いですか。ミステリーじゃないし!
普通の高校生・絹川健一は学校帰りに、公園に呼び出されて、同級生の大海千夜子に告白される。恋とか、愛とかにあまり実感もわかない健一はいったん返事を保留する。しかし、その帰り道にいき倒れている女性・桑畑綾を助けたことで、健一の人生はなんでか少しおかしな方向へ進むことに。ちょっとHで、ちょっと切ない恋に悩む健一の日常を描く、ハート・ウォーミングな物語。DEARの新井輝が新世代のラブの行方を描きます!
そしていきなり主人公があったばかりの女性と××××ですよ奥さん。しかもその次は実の姉とですよ!エロゲの原作ですか!?いやまんまそうなんですけど。絶対このストーリーでエロゲ作れます。売れるかどうかわからんけれど。
しかも続きですよ。予定だと四巻までは確実に出るんですよ。
いや、新井輝の文章とかキャラ描写とか好きなんですけどね。
まあ新境地と言うかなんと言うか。続刊買うとは思いますけどね。
Mew mew!―Crazy cat’s night
2004年7月22日 読書
ISBN:4840227306 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2004/07 ¥641
いつもの如く騙し騙されのゴタゴタの後、最後にストンと纏めるのはまさに職人芸ですね。今回は目立っているキャラが少なく悪役も少々パワーダウンの感はありますが、主人公のチェーンソー娘なんてのは二重人格気味な所なんかはまさにライトノベルキャラの典型なんですが、その動機と、その動機の為の決意のあたりなんかで上手く独特のキャラクター付けをしている訳で、このあたりも流石の妙と言う所です。
まあ単純に勢いに乗って読めますよと言う事で。最後の決着の付き方とか、好きだなぁ。
この島物もシリーズ化の勢いで次は『がるぐる!』に続きます。
戌井他、バウワウ!キャラも帰ってきそうですし、次回はバトルロイヤルか?
逃げる鼠を、猫は追う──。バウワウ!の続編的な一作。バウワウ!を読まなくても大丈夫なように、とは後書きに書いてありましたが読んだ方が良いですね。バウワウ!を読んでいないと島の存在が唐突過ぎるような気がしてイマイチノれないかも知れません。
九龍城さながらの無法都市と化した人工島。
その島に捨てられた子供たちは“鼠”だった。地下に棲み、暗い路地を走り、あらゆる物を喰い荒らし──そして、この島から逃げたがっていた。まるで、レミングのように──。
その島で育った少女は“猫”だった。可愛らしく、しなやかで、全てを切り裂く“爪”を持っていて──そして、この島を護り続けていた。まるで、ハウスキャットのように──。
彼らはいずれ巡り会う、何しろ“猫と鼠”なのだから……。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/new/sinkan.php#8
いつもの如く騙し騙されのゴタゴタの後、最後にストンと纏めるのはまさに職人芸ですね。今回は目立っているキャラが少なく悪役も少々パワーダウンの感はありますが、主人公のチェーンソー娘なんてのは二重人格気味な所なんかはまさにライトノベルキャラの典型なんですが、その動機と、その動機の為の決意のあたりなんかで上手く独特のキャラクター付けをしている訳で、このあたりも流石の妙と言う所です。
まあ単純に勢いに乗って読めますよと言う事で。最後の決着の付き方とか、好きだなぁ。
この島物もシリーズ化の勢いで次は『がるぐる!』に続きます。
戌井他、バウワウ!キャラも帰ってきそうですし、次回はバトルロイヤルか?
ISBN:4840227004 文庫 高橋 弥七郎 メディアワークス 2004/06 ¥620
今や『灼眼のシャナ』シリーズの方が有名な高橋弥七郎ですが、デビューはA/Bエクストリームと言うSFアクション小説でした。
二冊まで出たA/Bは一部で好評を持って迎えられたものの、その後シャナの人気に押されて続編はずっとお蔵入りの状態でした。
そして2年のブランクと共にようやくシリーズ最新刊の登場となったのが、このアプラクサスの夢です。
前作から設定等を引継いでいるものの、単独でも読める構成となっています。久しぶりのA/Bの内容はと言うと・・・少しパワーダウンしたかなぁと言う印象。今回はイマイチ『ディビジョン商会』の各キャラが立ちきれて居なかったと言うかストーリー先行がちでキャラ描写が置いてかれてしまったかなと。これでシリーズが数ヶ月おきに出ているならばすんなり読めるのでしょうが、なにせ二年ぶり。もう少し各キャラに感情移入できるようなエピソードが欲しかった・・・と思うのは贅沢でしょうか。とは言っても構成自体は十分にしっかりしていますし、各キャラともに見せ場もあるので、まあそのあたりは期待を裏切らない出来とは言えるでしょうか。
やはり一度シリーズを読み直してみる必要があるなと決心した待望の一作でした。
デキる奴らが事件に挑む、SFアクションストーリー!
異空間に巣食う化け物退治を生業とする「ディビジョン駆除商会」のアンディーとボギー。突如現れ、音もなく消え去った『ファントム』と呼ばれる化け物を追ううちに、赤いパラソルを持つ少女の存在が浮かび上がってきて……。
奇才・高橋弥七郎が放つSFアクションストーリー、ついに登場!
http://shop.mediaworks.co.jp/ds_item.php?isbn=4-8402-2700-4
今や『灼眼のシャナ』シリーズの方が有名な高橋弥七郎ですが、デビューはA/Bエクストリームと言うSFアクション小説でした。
二冊まで出たA/Bは一部で好評を持って迎えられたものの、その後シャナの人気に押されて続編はずっとお蔵入りの状態でした。
そして2年のブランクと共にようやくシリーズ最新刊の登場となったのが、このアプラクサスの夢です。
前作から設定等を引継いでいるものの、単独でも読める構成となっています。久しぶりのA/Bの内容はと言うと・・・少しパワーダウンしたかなぁと言う印象。今回はイマイチ『ディビジョン商会』の各キャラが立ちきれて居なかったと言うかストーリー先行がちでキャラ描写が置いてかれてしまったかなと。これでシリーズが数ヶ月おきに出ているならばすんなり読めるのでしょうが、なにせ二年ぶり。もう少し各キャラに感情移入できるようなエピソードが欲しかった・・・と思うのは贅沢でしょうか。とは言っても構成自体は十分にしっかりしていますし、各キャラともに見せ場もあるので、まあそのあたりは期待を裏切らない出来とは言えるでしょうか。
やはり一度シリーズを読み直してみる必要があるなと決心した待望の一作でした。